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お金の発祥は貴金属から生まれた
普段、当たり前のように使われている「お金」。いつ誕生し、どのように普及したのでしょう?
非常に身近な存在であるからこそあまり考える機会は少なかったのではないでしょうか?
始まりは今から4500年前のメソポタミアで貨幣について記述されているものが発見されています。
メソポタミアは世界四大文明の一つでチグリス川とユーフラテス川に挟まれた地域で、現在のイラクに該当します。
メソポタミアの人々は収穫した穀物を神殿に保管すると同時に、その穀物に応じた「銀」を預かり、その「銀」を持っていけば神殿に保管している穀物と交換するような仕組みを考えていたとされています。
では貨幣が存在しないそれ以前の人々はどのようにしていたのでしょう。
大昔は「物々交換」することによって、自分のモノと他人のモノを交換していた時代があったのです。
しかし、自分が他人のモノを欲しくても、相手側が自分のモノを欲しがらないこともあるので非常に不便でした。
そこで考えられたものが「物品交換」で、その当時価値が下がりにくく、誰もが欲しがり、持ち運びしやすく、保存できる物品として「貝」「布」「塩」などと交換し、それを貨幣代わりとして必要なものと交換していたようです。
その中でも「貝」を一般的に使用していたとされるのが中国であって、そのためお金や財産を表す漢字で「貝」が多く使われているのです。
参考までに
「貨」・・・貨幣
「財」・・・財産、財布、財務
「購」・・・購入、購買
「貯」・・・貯金、貯蓄
「買」・・・買取、買掛金、売買
「貿」・・・貿易
今まで「貝」という漢字を意識した方も少なかったと思いますが、いろんな漢字の発祥を考えてみても面白いかもしれませんね。
貴金属はサビない
車をお持ちの方は今まで洗車したときに、「あっ!」
何らかの理由で塗装が剥げてサビを発見した経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
サビは放っておくと大きく広がっていき、せっかく大切な車の塗装部分がどんどん剥がれていきます。それは車自体が金属でできているから仕方ありません。
ではサビない金属って存在するのでしょうか?
結論から言いますと、ジュエリーなどに使われている「金」・「プラチナ」・「銀」である貴金属になります。
耐久性や費用面で難しい話ですが、もし「金」・「プラチナ」・「銀」だけで車を製造できたとすれば、それは永遠にサビることのない車になります。
ただ、ジュエリーでも場合によってサビることもあり得ます。
その理由は、100%「金」・「プラチナ」・「銀」で作ると柔らかい貴金属のためすぐにキズが付いてしまったり、大切な宝石が外れたりすることがあります。
そこでジュエリーの場合、「金」・「プラチナ」・「銀」を主材料として、そこに他の金属(銅など)を混ぜ合わせ貴金属の強度を高めているので、その他の金属が原因としてサビが表面化してしまう可能性があるのです。
もし、サビが「イヤだ」って思う方は、純度の高い貴金属の購入することをオススメします。
ジュエリーに貴金属を用いるわけ
貴金属は他の金属に比べると、金や銀の色合いがとても美しく身に着けた時に煌びやかさを演出します。
そこに貴重な宝石を組み合わせることによってより財産性を持たせるために用いられます。
また、貴金属は「化学的にも安定」「加工性がよく」「空気中で酸化されにくい」などの特性をもっており、更に別の金属を混ぜ合わせることも容易です。
そのため宝石の使用用途に応じて主材料の性質を改善することもできるので、この先もその地位は揺らぐことのない存在になるでしょう。
活躍する身近な貴金属の用途
貴金属はジュエリーに限らず、特性を生かし産業用途でも活躍しています。
皆さんが一番ピンとくるのは「金歯」になるのではないでしょうか。
前述の通り、歯に金属を被せるわけですからサビてしまっては大変です。そこで純度が高くてサビない金が使われており、医療用の金としては大半を占めています。
その他には「金箔」で、目にする機会も多いのではないでしょうか。
ただ、よく考えると「金」って食べて大丈夫?って思った方もいらっしゃるかと思います。
結論、大丈夫なのでご安心ください。
「金箔」にも2種類あり、工業用の「金箔」と食用の「金箔」が存在します。
工業用の「金箔」は、ジュエリーと一緒で金以外に他の金属(銅など)を混ぜ合わせていますが、食用の「金箔」には金属(銅など)は含まれていなく、金と銀の貴金属で構成されており、食べたとしても体内に吸収されることなく素通りして排出されます。
また、国によって評価も受け食品添加物としても認められています。
貴金属(金・銀)が由来の都市が存在する?
銀座
たとえ日本のどこに住んでいたとしても多くの人は東京の「銀座」って街名を聞いたことはあるでしょう。
高級ブランド店や高級クラブ、料亭、デパート、大手ファッションブランドが立ち並び、今や日本各地にとどまらず海外からの旅行者も多数集まる繁華街として有名です。
そんな銀座の名前の由来は江戸時代まで遡り、1612年今の場所に「銀貨鋳造所」が置かれ、そこで銀の売買が行われていたことから「銀座」とよばれるようになったようです。
ちなみに、その当時「銀座」も海であって徳川家康によって造られた江戸湾の埋め立て地なのです。
金座
銀座とは異なり「金座」って聞いたことのある方は少ないでしょう。
実は1595年、徳川家康が京都の彫金師「後藤庄三郎光次」に江戸で小判の鋳造を命じました。
その場所に金の製造工場と役宅が建てられ、それらを総称して「金座」と呼ばれていたようです。
しかし、1869年に造幣局に吸収され廃止されたことによってその名称がなくなり、今はその跡地に日本銀行が建てられています。
最後に
現在、当たり前のようにどの国でも紙幣であったり硬貨というお金が存在しています。
しかし、もともとは物々交換や物品交換している時代があったので、もし貴金属っていうものが発見されなければお金という歴史は大きく変わっていたでしょう。
また、今やクレジットカードや電子マネー、携帯決済など様々な支払方法が確立していってますので、お金も全て電子化となり、紙幣や硬貨がなくなる時代がくるかもしれませんね。