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コラム

愛の宝石とも呼ばれ上品に輝く10月の誕生石トルマリン


 

トルマリンのカラーバリエーション

10月の誕生石として様々な天然宝石があり、その中でも広く知られているのは「オパール」「トルマリン」です。

トルマリンは多彩なカラーバリエーションを持っており、存在しない色はないとも言われています。

そのため、宝石を鑑別する技術が未発達な頃は、他の宝石と間違われることがよくありました。

そんな豊富なカラーバリエーションで人々を魅了し続けてきたトルマリンの紹介になります。

 

 

 

トルマリンの歴史

歴史

 

トルマリンは紀元前から採掘され使われていたと言われていますが、明確な時期は解かっていません。

その理由はその多彩なカラーバリエーションによるためです。

緑色のトルマリンはエメラルド、赤色のトルマリンはルビー、青色のトルマリンはサファイアに間違われ、何世紀にもわたって誤認されてきました。

トルマリンとして世に出たのは15世紀とも言われており、現在のスリランカであるセイロン島で採掘され、現地語であるシンハラ語の混合宝石という意味の「トルマリ」が由来という説があります。

正確にトルマリンと分類されたのは19世紀になってからです。

 

 

 

トルマリンの原産地

スリランカ(セイロン島)原産地

 

トルマリンの原産地は、ブラジル、パキスタン、ケニア、マダガスカル、モザンビーク、スリランカ、アメリカなど様々な地域や国で産出され、それぞれ特色が異なっています。

ブラジルでは様々な色のトルマリンが産出され、青みを帯びた美しいグリーントルマリンや青と緑が混ざったようなインディゴライトと言われるブルートルマリン、茶色がかったピンクトルマリンが採れます。

また、ブラジルのパライバ州で産出されるパライバトルマリンは非常に美しく有名です。
しかし、現在ではほとんど産出されなくなっています。

アメリカではミント色などのパステルカラーや希少で透明なトルマリンが産出されます。
モザンビークではピンクトルマリンやパライバトルマリンも産出されますが、ブラジル産に近い品質のものは少なく、色が薄いものがほとんどのようです。

 

 

トルマリンの鉱物

トルマリンの原石

 

トルマリンはケイ素酸塩鉱物と言われる鉱物のグループ名で、苦土電気石やリシア電気石などから構成されています。
ここで電気石という単語が出てきましたが、トルマリンの和名は「電気石」と呼ばれています。
これは、圧力をかけたり温度変化を与えると微弱な電気を帯びることからきています。

 

 

 

トルマリンの価値

パライバトルマリン

 

トルマリンは多くの国や地域で産出されていますが、その中でもブラジルのパライバ州で産出されるパライバトルマリンのネオングリーンやネオンブルーの煌きは最高品質と言われ、非常に高値で取引されています。
近年ではモザンビークでもブラジル産に近い高品質のものが産出されます。

先述の通り、今ではブラジル産のパライバトルマリンの産出量も減り、アフリカで初めてパライバトルマリンを発見したナイジェリアでは、その鉱山が枯渇したことによって閉山したと言われていますので、今後も更に希少性が高まり、高品質なパライバトルマリンは今以上に高値で取引されるかもしれません。

 

 

 

トルマリンの特徴

トルマリンの特徴

 

トルマリンの最大の特徴は何といってもカラーバリエーションの多さでしょう。
その色も、1つの石に2色が入ったバイカラートルマリン、3色以上入ったトリカラートルマリン、スイカみたいな配色をしたウォーターメロンと呼ばれるトルマリンもあります。
カット次第ですが、キャッツイアイ効果を示す石も存在します。

また微弱ですが電気を帯びるということも特徴の1つです。
その特性を生かして健康器具に使われることもあれば、宝石にならなかったトルマリンをゲル状、繊維状などに加工し、工業用や環境改善の素材としても使用されています。

 

 

 

トルマリンの取り扱い

取り扱い

 

トルマリンは硬度(MAX10)7~7.5と高めで、光や化学薬品に対して強く、化粧品や汗などで劣化する心配はありません。
ただ、紫外線には弱く、紫外線に当て続けると色が抜ける可能性があります。
しかし、普段使用する分には問題はないのでご安心してください。

電気を帯びる性質があり、ほこりを引き寄せてしまうことがあります。
そのため、定期的にお手入れすることをお勧めします。

お手入れは、柔らかい布で優しく拭いてください。
定期的にお手入れをするのであれば、ぬるま湯に石鹸を溶かし柔らかいブラシで洗浄します。そして石鹸水をすすぎ優しく柔らかい布でふき取り陰干ししてください。

超音波洗浄機やスチームクリーナなどを使うと傷が付いたり色が変化してしまう可能性があるので、使わないようにしましょう。

 

 

 

最後に

トルマリンは宝石の中でも豊富なカラーバリエーションを持ち、宝石としての役目だけではなく電気を帯びることから健康器具や工業用、環境改善にも使われており、私たちの生活に欠かすことのできない存在かもしれません。

また、条件次第ではマイナスイオンやプラスイオンを発生させたりすることもでき、リラックス効果もあると言われています。
多彩な色を持ちリラックス効果も期待できるトルマリンをひとつお持ちになってみてはいかがでしょうか。