12月の誕生石には、ターコイズの他にタンザナイトやラピスラズリなどが有名です。
どれもブルー系で、その中でもターコイズは南国の澄み渡る空を連想させる水色が特徴的で「ターコイズブルー」という色の名前を持っています。
トルコを経由して地中海地方に運ばれたことから「トルコ石」とも呼ばれています。
今回はトルコ石という呼び名でも親しまれているターコイズの歴史や特徴などを紹介していきます。
ターコイズの歴史
ターコイズはトルコ石とも呼ばれ皆さんが想像するのはアメリカ先住民であるネイティブ・アメリカンではないでしょうか?
古くから愛されてきた宝石の一つで、古代エジプト、メソポタミア、ペルシア、アステカ、インダス、中国など多くの文明で使われていました。
古代エジプトではミイラとともに金とターコイズの宝飾品が埋葬されており、最古の宝飾品の一つと言われています。
また、かの有名なツタンカーメン王の黄金の仮面にも使われています。
1428年からメキシコで100年弱栄えた文明国家アステカでは、儀式などで使用するナイフや盾などの防具や仮面に使われていたり、ペルシアでは1000年ほど事実上ではありますが国石(国家の宝石)として扱われており、モスク(イスラム教の礼拝堂)など重要な建築物の内装や外装に使われていました。
古代中国では魔除けのお守りや祭事の彫刻品を作るために使われていました。
ヨーロッパでは13世紀ごろに男性が落馬しないようお守りとして身に着けるようになり、宝飾品として使われ始めたのは14世紀ごろからです。
日本では18世紀まで存在すら知られていませんでした。
ターコイズは宝石や宝飾品としての用途は少なく、神聖な石としてお守りのような意味で使用されることが多かったようです。
ターコイズの原産地
ターコイズはトルコ石とも呼ばれ、トルコで産出されていると思っている方が多いと思いますが、トルコでは産出されません。
主な原産地としては、イラン、アメリカ、中国、シナイ半島などで産出されてます。
アメリカのネバダ州は、ターコイズの聖地と言われています。
ちなみに日本の栃木県でもターコイズが見つかっています。
ターコイズの鉱物
ターコイズは水酸化銅アルミニウムリン酸塩で二次鉱物と言われる鉱物です。
二次鉱物とは先に出来た鉱物が風化や酸化していく過程で酸性の液体が浸透していくことにより作られます。
ターコイズの価値
ターコイズの価値は一般的に、模様がなくロビン(日本名はアメリカこまどり)の卵のようにブルーで色味が均一なモノが高く評価され、一般的な価値基準として、質感、色、マトリックス(模様)の3つです。
ロビンの卵とは、ロビンという鳥が産む青い卵の事です。
現在、最高評価されているのが、アメリカアリゾナ州にあるスリーピングビューティー鉱山から産出されたターコイズです。
他方ではスパーダーウェブと言われる蜘蛛の巣のような模様が入ったモノも人気があり、バランスの良いものは高評価されることが あります。
ターコイズの特徴
ターコイズと言えば青色ではないでしょうか。
しかし中にはグリーンターコイズと呼ばれる緑色のターコイズもあります。
また様々な模様が入っているのも特徴の一つですね。
宝飾品としてはシルバーに使われることが多く、カット(形状)はカボションが一般的です。
パワーストーンとしても有名で、日常に溶け込んでいる宝石の一つです。
ターコイズは非常に柔らかくモース硬度(MAX10)は5~6です。
これはカッターナイフでも傷がつけられるくらいの柔らかさです。
熱にも弱く変色したり傷付いてしまう可能性があります。
今日の地球の暑さからして夏場は使用しにくい宝石でもあります。
ターコイズは水分を多く含んでおり、かつ多孔質といって細かい穴(孔)が空いており、発掘後その水分はなくなるのですが、その穴から汗や汚れを吸着しやすくなってしまいます。
そのため何かしらの加工や処理がされているモノがほとんどです。
ターコイズの取り扱い
先述した通り非常に柔らかく熱にも弱いため取り扱いには注意が必要です。
普段使いにおいても化粧品や汗などでも変色する可能性があります。
超音波洗浄機やスチームクリーナーなどは使用せず、ぬるい石鹸水で優しく拭き、ぬるま湯で石鹸を落とした後、柔らかい布で優しく拭いてください。
最後に
トルコ石とも呼ばれトルコが産地だと思われがちなターコイズ。
そんなターコイズは古代から神聖な宝石としてお守りやモスクなどの重要な建築物に使われ、現在では宝石としての価値やパワーストーンとしての価値もあります。
模様がなくきれいな青色や緑色をしたモノから、多種多様な模様が入ったモノまで幅広くあり、他の宝石にはない魅力を持ち合わせている宝石になるでしょう。
そんな幅広い神聖な宝石ターコイズを身に着けてみてはいかがでしょうか?