近年、金相場は上昇し続けており今年に入り1g7,000円前後をキープしています。
それだけ今では価値の高い素材として世界でも認められています。
ただ、価値が上がればどうしても、それにつけこんだ「偽物」製品が出回ります。
その結果として被害に遭われる方は少なくありません。
そこで今回はそのような被害に遭わないよう偽物の事例であったり、金製品の見分け方について紹介していきたいと思います。
目次
金に似た製品とは
金が使われている製品であれば、たとえ工賃や人件費を抑えたとしても材料である素材が高いため、当然のことながら販売価格が高くなってしまいます。
だからこそ、以下の方法で偽物の生産が後を絶ちません。
刻印を偽っている
国内で販売されている金製品の中でよく知られている刻印といえば「K18」で、他にも「K24」「K14」「K10」などがあります。
その一方で、金メッキ製品になると「K〇〇GP」と末尾に「GP」が付き、これがたとえば「K18GP」という刻印がされていれば「この製品は金以外の素材にK18の金メッキが施されています」という意味になります。
これらの刻印を悪用して、実は「K18GP」の金メッキ製品なのに「GP」を省略して、あたかも金製品として生産・販売されているケースがあります。
稀に、「K18GP」の刻印が入っている製品を「K18」として売りつけられることも。
そのため、金製品を購入するときは信頼できるショップで購入するように心掛けていただき、あわせて「K18」と「K18 GP 」の違いについても理解を深めておくと良いです。
金の純度をごまかしている
金製品に打刻されている刻印は金の含有量を表しています。
しかし、中には打刻されている刻印の含有量に満たないことがあります。
具体的には「K18」という刻印があるにもかかわらず、金の含有量が半分程度しか入っていない「K9」「K10」を偽って販売しているケースです。
また、海外製品でよく見られるのが「18K」「14K」など数字のあとにKが付く刻印にも注意が必要です。
これらの刻印は通称「あとK」と呼ばれており、実際の含有量が入っていないことも多く、粗悪品になると金以外の素材が使われていることがあります。
パーツの一部だけ金を使っている
いくつかのパーツで構成されている金製品に見られるケースです。
特にネックレス製品で見受けられることがもっとも多いかもしれません。
それはチェーンやプレート、引き輪、チェーンを繋ぐマルカンなどいくつかの部品を組み合わしているので、その一部だけに金以外の素材を紛れ込ましても見逃される可能性が高いからです。
ただ、一部だけならまだしも、悪質な製品になるとメインとなるチェーン自体に金以外の素材が使われているケースもあるようです。
自分で見分ける方法とは
数多くのアクセサリーをお持ちの方であれば、うっかりその製品が金製品なのか金以外の製品なのか分からなくなってしまうこともあるのではないでしょうか。
ここからは自分で見極める方法がいくつかありますので一度試しみてください。
刻印を見る
金製品と金以外の製品をパッと見ただけで見極めるのは難しいです。
そのため、各メーカーは指輪なら内側、ペントップなら裏側など、どこかに刻印を入れるのが一般的で、この刻印があれば素材の見極めができます。
もちろん、前述の通り「偽物」が紛れ込んでいることも稀にありますが、ほとんどの製品は刻印に刻まれた素材が使われています。
磁石を近づける
自宅に磁石があれば簡単に判別することが可能です。
なぜならば、金製品に含まれている金、銀、銅は磁石に反発する性質を持っているので磁石に反応せず、逆に金以外の製品は磁石にくっつく性質を持っているからです。
ただし、この方法は可能性が高まるだけであって、断定することはできません。
それは、銀や銅に加えて錫(すず)などの表面に金メッキを施せば、見た目が金製品で尚且つ磁石にくっつない「偽物」を作ることができるからです。
また、K18のホワイトゴールドなどにはニッケルもしくはパラジウムという金属が含まれています。
パラジウムは金と同じく磁石に反発する性質を持っていますが、ニッケルは磁石にくっつく性質を持っているため、もしニッケルを含んでいるホワイトゴールドの製品であれば磁石反応を起こします。
つまり、ホワイトゴールドの製品を磁石で見極めるのは困難であると言えます。
この方法は非常に簡単な方法ではありますが、あくまでも参考程度として試してみてください。
色味や剥がれ
金の含有量によって色味が変わってきます。
100%の金が使われているK24(純金)ならオレンジに近い色味をしており、75%の金と25%の銀、銅が含まれているK18は黄金色、41.6%の金と58.4%の銀、銅が使われているK10は銅の影響を受け色味が暗くなります。
これに対し金メッキを施している製品の表面にはテカリが見受けられます。
また、金メッキ製品を使い込んでいくと摩擦によって表面を覆っておりメッキが剥がれ、ベースで使われている金属が露出してきます。
もし、鉄が使われているのであれば、その箇所だけ銀白色になります。
かたや金製品であればいくら摩擦が生じようとも、他色になることはありません。
重み
純金の比重は19.32に対し、水の比重は1で約20倍弱の違いがあります。
この比重とは物質1立方センチメートルあたりの「質量」を表しています。
これを踏まえ、たとえば1リットルのペットボトルに水を入れたとします。
当然のことながら質量は1,000ml=1,000gとなります。
では次に純金をペットボトルに入れたとします。
この場合、水の1,000gに比重の19.32を掛け合わせ19,320gの質量になります。
要は物質によって同じ大きさであっても重みが全く異なることが言えるのです。
ちなみに金以外の金属の比重は、銀=10.50、銅=8.93、ニッケル=8.90、錫=7.30、鉛=11.36で、金と比較すると約半分くらいの重さになります。
そのため、同等の大きさである金製品と金以外の製品を手のひらに乗せれば、金製品の方がずっしりと重みを感じます。
ただし、比重が19.3という金と比重が近いタングステンという金属が存在しています。
この場合は重みだけで判断することはできませんので注意が必要です。
臭い
金製品であれば多少金属の臭いがしたとしても差ほど気にならない程度です。
一方で、ベース素材に鉄を使い表面に金メッキを施している製品は、鉄特有の臭いがしますので簡単に見分けることができます。
また金製品だからといって、定期的に洗浄しなければ汗などの汚れで金製品とはかけ離れた臭いが発生することもあります。
それを「金製品ではない」と勘違いしてしまう方も少なからずいらっしゃるようです。
なので、普段から汗を拭き取るなどこまめなお手入れを心掛けると良いです。
どうしても分からなければ買取業者に見てもらう
いくつかの方法である程度見分けることが可能ですが、やはり中には巧妙に作られている「偽物」も少なくありません。
したがって、より正確に見分けるには買取業者に依頼することです。
買取業者なら専門的な知識を持っている上、今までにいくつかの「偽物」を見てきているので経験が豊富です。
さらに、正確な金含有量を計測する比重計や、X線分析装置などを設置しています。
もちろん、正確な鑑定をしたからといって費用がかかることもなく、気軽に相談することができ、説明も丁寧にしてくれるので安心です。
最後に
いくつかの「偽物」事例を紹介させていただきましたが、どうしても被害を0にすることは不可能に近いです。
それは、偽物を作っているグループはあの手この手の巧妙な手口ですり抜けてくるからです。
なので、金製品を購入するときは怪しげな通販ショップで購入するのは控えていただき、評価の高いショップや路面店などで購入すると良いです。
それに加え、上記の見極め方法を覚えておくと、より一層安心することができるでしょう。