日本人の多くは、プラチナのイメージって聞かれると、結婚指輪・ジュエリー・高価なモノ・憧れという強いイメージを持っています。
実際、結婚指輪や宝石が付いているジュエリーの多くはプラチナを土台として作られており、全国どこの宝石店に行っても白い輝きを放つプラチナの製品がショーケースに並んでいます。
結婚指輪として人気があるプラチナ。
そして、なぜ日本人はプラチナに憧れるのでしょう。
プラチナの結婚指輪が選ばれるわけ
日本では8割の夫婦が結婚指輪や婚約指輪にプラチナを選ぶそうです。
如何にプラチナが日本人からこよなく愛されているかがうかがえますね。
きっかけとなったのは、1959年日本中が沸いた皇太子さまと美智子さまの世紀のご成婚だと言われています。
その時、美智子さまが頭に着けていたプラチナ製のティアラがお披露目され、その美しさがゴールドより美しい貴金属として世の中に知れ渡ったことが一つの要因になります。
また、以前にもお話ししましたがプラチナは1トンの現鉱石から採れる量も3gほどと言われ、その希少性の高さが花嫁の存在を際立たせたり、変色しないプラチナの性質から「永遠の愛」を象徴できることから多くの夫婦がプラチナの結婚指輪を好みます。
しかし、海外ではプラチナの結婚指輪はマイナーとされているようです。
それは、今まで歩んできた各国の歴史も異なれば、国民性も異なることが理由として挙げられるでしょう。
プラチナに憧れる日本人
多くの日本人がプラチナに憧れているのは紛れもない事実と言っていいでしょう。
キラキラとしたゴールドの輝きより控えめな日本人にマッチした素材で肌にプラチナの方が馴染み、重厚感のある輝きで魅了し続けているからです。
そして、同じようなデザインで同じ原価の材料であってもゴールドよりプラチナの方が販売価格が高いことが一般的で、プラチナは高価なモノ=気軽に買えないというイメージもあるからではないでしょうか。
日本でのプラチナ需要
宝飾品のプラチナ消費でいうと、日本・中国・アメリカ・インドの4か国が大半で、4か国の中でも人口換算すると日本が世界一の消費大国となっているようです。
ただ、海外に目を向ければゴールド主流の国が多く、プラチナは宝飾品としての認識は薄く、あくまでも工業用金属としての認識が強いようで、宝飾品としてはあまり人気がないようです。
宝飾品に限らず日本でのプラチナの需要量は年間おおよそ30トンほどとなっています。
そのうち、宝飾品としての需要量は毎年10トンほどで、自動車の排ガス媒体の10トンと同等とされています。
また、近年では投資としての需要もここ数年で数倍と増えており、宝飾品や自動車の排ガス媒体以外の分野でも人気需要を高めています。
金属アレルギーが起きにくいプラチナ
金属アレルギーとは、指輪やピアスを着けた時、肌に接した部分が赤く炎症を起こし痒くなったり、湿疹ができたり、水ぶくれができたり、場合によってはただれが起きる皮膚炎が金属アレルギーの症状になります。
その原因は、金属が汗などによってイオン化して溶け出し、それが体内に取り込まれて体を守る免疫が反応することによって引き起こす状態のことです。
プラチナは一般的に腐食することもなければ、イオン化することもなく貴金属アレルギーが起きにくいと言われています。
ただ、それでもプラチナで貴金属アレルギーを起こすこともあります。
それは、プラチナの指輪やピアスを作る過程でパラジウムという貴金属を配合しているからです。
イオン化しアレルギーを起こしやすい金属として有名なのはニッケル・すず・水銀・コバルト・クロムになりますが、プラチナに配合されているパラジウムもイオン化しやすくアレルギーを起こすと言われていますので、それが原因で金属アレルギーが起きるようです。
もし、パラジウムが配合されたプラチナで金属アレルギーを起こした方がいらっしゃいましたら、パラジウムの入っていないプラチナ製品の購入検討しても良いかと思います。
日常生活で使いやすいプラチナ
日常生活で指輪やピアスを着けたままお過ごしの方も多いのではないでしょうか?
プラチナは化学的にも安定した特性を持っており、日常生活で酸化・変色・変質することがないことから、ハンドソープを使っての手洗い、食器用洗剤を使っての食器洗い、プールの塩素、漂白剤などでも変色しません。
また、白い輝きによって洋服に合わせてお洒落に着飾ることができます。
プラチナの柔らかい性質上、細かいキズが付きやすかったり、何らかのアクシデントによって指輪を固いところにぶつけてしまうと指輪そのものが変形したりしますが、その性質を生かして新品同様の状態にクリーニング(新品仕上げ)することによって本来の輝きを取り戻すこともできれば、デザインにもよりますが変形直しもしやすく、簡単にメンテナンスできる素材なので、日常生活で使い続けることができるのです。
最後に
日本の宝飾品の中でもプラチナは非常に人気があり日本人が憧れ続けていますが、外国に行くとほとんどの国ではゴールドが主体で、プラチナは宝飾品っていうより工業用金属のイメージが強いことには驚きですね。
しかし、裏を返せば、海外で人気がないからこそ日本への供給量が安定し、私たちの手元にいきわたり白い輝きで魅了し続けてくれているのでしょう。