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コラム

限りある資源!輝きを放つ金の価値とは?


金の塊

 

私たち人間と金の出会いは紀元前まで遡りおおよそ6000年弱となります。 

その間に一体どのくらいの金が採掘され、この先どのくらいの金の採掘ができ、いつ金が枯渇してしまうのでしょうか? 

ここで一つハッキリ言えることは‟金は限りある資源”であることです。 

それは自然が長い時間かけて生んでくれた貴重な資源であること。 

そして、決して人間が作って出来るものではないのです。

 

 

金の埋蔵量・産出国 

キラキラ光る金鉱石

 

人類がこれまでに採掘してきた金の総量は19万トンほどで、オリンピック競技で使用される競泳のプール4杯程度と言われています。 

しかし、この世界には金の埋蔵量が6万トンほどまだ眠り続けています。 

 

では、世界のどの国で金は採掘できるのでしょう? 

真っ先に南アフリカを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 

それは、南アフリカが1880年代には世界のシェア2/3を占めており、その後も世界1位の産出国として君臨してきたからでしょう。 

ところが100年以上もの間ずっと金を採掘してきたため、掘りやすいところは全て掘りつくしたとされ徐々に産出量に陰りが出てきていると言われています。それでも年間100トン前後の金を産出し続けていますので、世界でもまだまだ産出量が多い国になりますが、2019年には世界12位まで順位は落としています。 

 

そんな中、現在産出量で世界1位の座に就いたのが中国になります。産出量は年間400トン以上とされ、世界の15%ほどのシェアを持っています。 

そして2位にはオーストラリア、3位がロシア、その他にはアメリカ・カナダ・ペルー・インドネシア・ガーナ・メキシコなどでも毎年100トン以上の金が採掘され続けています。 

 

 

価値がゼロにはならない安全資産?

安全資産となる金

 

安全資産として「金」に興味を持たれている方もいれば、購入を考えている方も多いのではないでしょうか? 

以前にも「金」は無価値になることがなく世界共通の価値が存在するとお話ししましたが、各国の紙幣は国が破綻してしまえば紙切れ同然になって信用リスクを伴います。その一方で金は世界共通の価値を持ちますので信用リスクはなく安全資産であると言えるでしょう。 

ただ、信用リスクがないだけで絶対的な安全資産と言えることになるのでしょうか? 

「金」は無価値になることはありませんが、日々価格変動を行う商品として世界各国で取引されています。 

そのため、株や債券、ドルと同じで価格の変動が常に付きまとい、株や債券、ドルが値上がりすると金は値下がりし、逆に株や債券、ドルが値下がりすれば金は値上がりし、「変動リスク」が伴います。 

 

安全資産と言う言葉は存在しますが、実際のところ100%安全資産と呼ばれる商品は金を含めこの世界には存在しないと言えるのではないでしょうか。 

それでも金は変動リスクが伴う商品の中でも比較的値動きが安定している商品であり、更には天変地異が起きたとしても絶対に破産しない商品の1つになるでしょう。 

 

 

金の価値には理由がある

他の金属より貴重な存在の金

 

金は昔から数ある金属の中でも貴金属としての価値を保ち続けてきました。 

それはこの世界がある限り変わることはないでしょう。 

その理由としては、まず「限られた資源」であることになります。 

前述の通り、金の埋蔵量は6万tになります。それに対し身近に存在する鉄は約1500億tとも言われています。 

要は金の250万倍になります。 

数字が大きすぎるので分かりにくいですが、金はこの数十年で採掘期間に終わりを迎えると言われているのに対し、鉄は数百年もの間採掘し続けても枯渇しない鉱物になります。 

その希少性から金の価値がある理由の1つと言えます。

 

その他には「限られた資源」であるにもかかわらず、宝飾品需要、産業用需要、公的需要(中央銀行による購入)、個人投資やご存じの方も多いかと思いますが、工業用需要としてパソコン、携帯電話の内部にも多く使われています。 

しかし、金というものが存在しなければどうでしょう? 

一番わかりやすい例としては、パソコン、携帯電話じゃないでしょうか。 

現在、仕事やプライベートでもパソコンや携帯電話は必需品になっています。もし金がなければ普段の生活に大きな支障を与えることになります。そういった面からしても、存在の意味として金の価値を示しているのではないでしょうか。

 

 

どこで決めている?金の市場

金の相場推移

 

金の市場には世界基準となる国際価格というものが存在しています。そして為替市場と同じように各国時差は生じますが、常にどこかの市場で休むことなく取引が行われています。 

 

主な金の市場としては、ニューヨーク・ロンドン・シンガポール・香港・シドニー・パリ・東京・チューリッヒとなります。 

その中でも2大市場と言われているのが、ニューヨークとロンドンになります。 

ロンドン市場は金の現物取引で、毎日午前と午後で2回値決めが行われているのに対し、ニューヨーク市場は金の先物取引(未来に売買するモノの価格を現時点で決定する取引)を行っており、よくニュース番組などで取り上げられている金の価格はニューヨークの先物取引価格を指していることが一般的です。

 

 

金の投資

掲示板に映し出されている相場情報

 

今や金の投資だけにはとどまらず、株式・債権・FX・ビットコインなどが存在しています。 

株式なら配当があり、その企業の業績が上がれば株価も自然と上がり売却益を生み出します。そして企業にもよりますが年間で株価が数十%から数倍になる企業もあり短期的に利益を出すこともできる‟攻めの投資”と言っていいでしょう。 

その一方で為替変動や金利、世界情勢の変化によって大きく下落することもあります。そして、万が一出資した企業が破綻したときには、出資金は戻ることがないのでリスクも持ち合わせます。 

 

債券については、短期的な売却益を生むことはできませんが、銀行の金利より高金利で利益を安定的に出すことができます。ただ、株と同じで、社債投資し企業が破綻した場合には出資金は戻ることはありません。 

 

金の場合は株のように短期的に売却益を生み出すことができない商品になっています。 

しかし、何度も言いますが無価値になることはありません。 

世界同時株安や世界各国で戦争や紛争が起こると世界情勢は不安定になりますが、金価格は逆に値上がりする傾向にあります。 

金は売却益を出すために投資するというよりも、安定した価格の資産を保有するという意味の方が強くなり株式とは逆で‟守りの投資”になるのではないでしょうか。

 

 

最後に

 

金の採掘量世界シェア2/3を占めていた南アフリカでも徐々に採掘量が減少しており、世界の埋蔵量も今まで採掘した量の1/3ほどと言われていますので、この先、今まで以上に金の希少性が増し、更には今までにない価値を生み出す日が来るかもしれませんね。 

 

また、金に限らず、どんな商品であってもリスクを伴うことが分かったかと思われます。 

そして、それぞれの商品によってもメリット・デメリットが存在します。 

これからの投資は一つの商品を固執して保有するのではなく、リスク回避できるように複数の商品をミックスして保有する方が堅いかもしれません。