近年、消費者のニーズが「購入・所有」から「サービス利用」にシフトチェンジしています。
その流れを受けて多くの企業で取り入れているサービスが「サブスク」です。
今ではさまざまなサブスクがテレビで紹介されていたり、ネット記事を見ていても「サブスク」という言葉を目にする機会が増えました。
また、私たち宝飾業界でもジュエリーの「サブスク」を取り入れている企業も増えつつあります。
そこで今回は、趣向を変えサブスクの紹介とともにレンタルとの違いについて紹介していきたいと思います。
目次
サブスクとは
サブスクとは「サブスクリプション(subscription)」の略です。
意味は「予約購読」や「会費」になり、もう少し分かりやすく言えば、月々定額料金を払えば一定期間製品やサービスを利用する権利を得ることです。
もとは新聞や雑誌の予約購読から生まれ、後に動画配信サービスの「Amazonプライム」「Netflix」や、音楽配信サービスの「Apple Music」などが誕生しています。
さらに、近年ではデジタルコンテンツだけに留まらず衣類、雑貨、家具、車、ジュエリー、バッグ、時計などの貸し出しや、カフェ、ラーメン、お酒の飲食サービスなどジャンルは多岐にわたります。
レンタルとは
レンタルショップに行きCDやDVD、ビデオなど借りた経験をお持ちの方も多いことでしょう。
レンタルは利用したいときにお店に出向き、作品を選び、期限が迫ると返却する、このように料金を支払い一時的に借りるサービスを指し、短いものであれば数時間、長くても数週間という期限のものがほとんどです。
また、期限を過ぎると超過料金が発生するのも特徴です。
お店によって月々の定額料金を支払い、 CDやDVDの 借り放題、延長料金なしといったサービスもありますが、これは「サブスク」に該当します。
サブスクとレンタルのメリット・デメリット
では、サブスクとレンタルではどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
これから新しく利用を考えている方は、しっかりと理解を深めたうえでサブスクもしくはレンタルを利用されると良いです。
サブスクのメリット
■利用頻度が多ければお得
基本的にサブスクのサービスは利用頻度が高まると利用者にとって「得」になります。
たとえば、動画視聴サービスの「Amazonプライム」であれば、月々の定額料金が500円(税込)で見放題です。
そのため、特定の映画だけではなく多くの映画を視聴したいという人であれば、レンタルよりサブスクの方がお得と言えるでしょう。
■定額制のため支払い手続きが不要
申し込みの時点でクレジットカードの登録を行っておくと非常に便利です。
毎月決まった日に自動的に決済され、わざわざ利用のたびに申し込みや料金の支払いをする必要がなく手間が省けます。
また、クレジットカードの利用ポイントも貯めることができます。
■視野を広げることができる
今までは自分の好きなアーティストの曲を聴きたい場合は、CDの購入もしくはレンタルすることがほとんどでした。
だが、聴き放題のサブスクであれば、料金を気にすることなく、興味があったアーティストの曲も聴くことができます。
それにより今まで聴くことのなかった新しい曲との出会いを格段に増やすことができます。
また、動画視聴サービスについても同じことが言えるでしょう。
サブスクのデメリット
■利用しなくても料金が発生する
メリットで利用頻度が高ければ「得」と言いましたが、逆に利用頻度が少なくなれば月々の定額料金が割高となってしまい、たとえ全く利用しなかったとしても支払いは発生します。
お得なイメージがあるサブスクですが、やはり定期的に利用しないと割高な利用料を支払い続けることとなります。
そのためにも利用頻度が少なくなったときは、サブスクの継続について検討するようにしましょう。
■自動更新が多いので注意が必要な場合も
サブスクは都度料金を支払う必要がないため便利です。
ただ、時間の経過とともに支払っているという感覚がうすれ、契約の自動更新が行われたとしても気付かないケースがあります。
また、初月無料キャンペーンにも注意が必要です。
ほとんどの場合は無料期間中に解約手続きを行わないと契約の自動更新が行われ有料プランに移行してしまいます。
このように気付かず契約更新されれば期間が短ければまだしも、年更新であれば支払い続けることとなってしまいます。
■解約しにくいことも
料金に見合ったサービスを受けることができれば良いものの、思っていたよりも利用頻度が低かったという方は消費者庁が発表した調査では4割程度いるようです。
もちろん、利用頻度が低ければ解約手続きを行えばいいだけの話です。
しかし、解約手続きが分かりにくい場所に設置されていたり、電話のみの解約で回線が混みあい繋がらないなど、利用者が解約しにくい仕組みになっていることもあるようです。
なので、入会前には利用規約で解約方法を確認したり、口コミをチェックしておくと安心です。
レンタルのメリット
■利用頻度が少なければお得に利用できる
利用頻度が高ければサブスクの方がお得に利用できますが、月に数本程度しか映画を見ない人であればレンタルの方が割安となります。
レンタルの場合はサブスクのように「固定費」がかかるわけでもないので、自分のタイミングで無理して見る必要もなく、人によっては出ていく支出を抑えることができます。
■契約の自動更新がない
先ほども触れたように、サブスクの場合は契約が自動更新されることがあります。
一方のレンタルであれば、そのような心配はありません。
一般的に契約更新日の前月にメールまたはハガキなどでお知らせが届き、それに返信しないと更新されない仕組みとなっています。
よって、自分の意思表示がない限り課金が発生しないため安心して利用することができるでしょう。
レンタルのデメリット
■返却期限を過ぎると延滞料金が発生する
サブスクは月々の定額料金さえ払えばCDやDVDを借り続けたとしても延滞料金が発生することは一切ありません。
ただ、レンタルの場合は1泊2日、2泊3日、7泊8日など一時的に借りるサービスになっており、ついつい返却日を忘れ延滞してしまうことがあります。
そのため、たとえ旧作のDVDを7泊8日100円で借りたとしても、延滞すれば延滞料金が1日あたり300円ほどすることが一般的なので、延滞日数や借りている枚数によっては高額な延滞料金が発生することがあります。
■在庫品から選ぶ必要がある
動画や音楽の配信サービスのサブスクを利用するとき、スマホやパソコンさえあればいつでも利用することは可能です。
一方のレンタルは在庫品から選ぶ必要があるため、もし自分が借りたいCDやDVDが貸出中であれば不便さを感じてしまうことがあるでしょう。
ただし、レンタルに限らず実態物を貸し出しているサブスクも同じことが言えます。
デジタルコンテンツではないサブスクはどうなの?
利用頻度によっては「得」になるデジタルコンテンツのサブスクユーザーは年々増加傾向にあります。
要因はいくつか考えられますが、主に費用が比較的安いのでたとえ利用頻度が低くても大きな負担がなく、最新のコンテンツが常時アップグレードされ何時でも視聴することができ、利用頻度が高い人からすれば金額に見合った以上のサービスを得ているからでしょう。
では、デジタルコンテンツではない商品の貸し出しを行っているサブスクの場合はどうでしょう?
衣類、雑貨、家具、車、ジュエリー、バッグ、時計などさまざまなアイテムがありますが、物である以上送料などのコストがかかるため定額料金はデジタルコンテンツよりやや高めに設定されています。
また、先ほど述べたようにレンタル同様取り扱いアイテムには限界があり、在庫にも限りがあります。
そのため、そもそも借りたい商品の取り扱いがない、人気商品は他の利用者と被ってしまうのでなかなか借りることができないということも十分にあり得ます。
それでも月々の定額料金が発生してしまうため、取扱事業者やタイミングによっては満足のいくサービスを受けることができないこともあるでしょう。
最後に
ものを「購入・所有」するのではなく「サービスを利用」するという意識が変化している現在、デジタルコンテンツの領域に限らずさまざまなサブスクが生まれています。
もちろん企業側からすると固定収益を上げることができるので、短期間で解約されないよう常にサービスの改善をし続け、今以上に利用者を満足させるサービスへと変化していくことでしょう。
ただ、当然のことながら人それぞれニーズは異なるものなので、私たち利用者は自分のニーズに合ったサービスであるかどうかを自問し「購入」「サブスク」「レンタル」を上手に使い分けなければなりません。