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ゴールドラッシュ!目指せ一獲千金!


机に並べた金の塊

 

ゴールドラッシュとは新しく金が見つかった土地に、一獲千金を狙って人々が殺到することです。 

ただ、見つけられる人、見つけられない人は当然いるため、みんなが一獲千金を手にできたわけではありません。  

そして、ゴールドラッシュはお金も労力もかかりとても大変です。 

それでも、今で言う宝くじや toto スポーツくじなど「夢」に導かれた人が多く存在していました。 

今回は、世界中の人々が一獲千金を狙ったゴールドラッシュについてご紹介します。

 

 

ゴールドラッシュの歴史

川から金を探し求める

 

ゴールドラッシュは19世紀中頃から後半の短い期間の世界各地で起こり、1799年アメリカノースカロライナ州にあるリード牧場で初めて金が発見されたのが始まりで、後のゴールドラッシュブームに発展したと言われています。 

 

【アメリカ】 

1799年アメリカノースカロライナ州 

1829年ジョージア州 

1848年カリフォルニア(当時はまだ州にはなっていません) 

1899年アラスカ(当時はまだ州になっていません)のノーム 

1900年アラスカ(当時はまだ州になっていません)フェアバンクス 

 

【オーストラリア】 

1851年ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州 

1890年西オーストラリア州 

 

【ニュージーランド】 

1861年オタゴ地方 

1864年ウェスト・コースト地方 

 

【カナダ】 

1896年クロンダイク地方

 

この中で特に有名なのはアメリカのカリフォルニアとオーストラリアで起きたゴールドラッシュになります。 

 

 

カリフォルニアのゴールドラッシュ

 

1848年にカリフォルニアの小さな街コロマに流れるアメリカン川で金が発見されます。 

当時のカリフォルニアは2万人も満たない人口でしたが、翌年の1849年だけでも8万人ほど人口が増加し、1860年頃には38万人近い人口になります。 

ただ、初期の頃に到着した商人たちは儲けを出しましたが、その後に到着した人たちはほとんど儲かることもなければ、逆に損失した人が大半だったようです。 

また、もともと住んでいたネイティブアメリカンへの迫害など悲しい出来事も起こっています。 

この出来事によって、今で言うアメリカンドリームを掴んだ人は一握りで、みんなが抱いていた夢は、現実として多くの不幸をもたらすことになったと言えます。

 

 

オーストラリアのゴールドラッシュ

 

次いで有名なのは1850年代オーストラリアのニューサウスウェールズ州とビクトリア州のゴールドラッシュになります。 

当時のオーストラリアはイギリスが支配しており、窃盗犯や政治犯罪を犯した人の流刑地でした。 

金が発見されると多くの人々が訪れ、当時オーストラリアの人口は40万人ほどでしたが、10年後には110万人ほどになり、街も栄えていき、暮らしも一気に変化がでます。

人口の急激な増加、大量の金を採掘することによって輸出も活発となり、オーストラリア経済の発展を牽引していきます。 

その反面、アメリカと同じくもともと住んでいたアボリジニと言われる人々への迫害など悲しい出来事も起こっています。 

 

現在、カリフォルニア州の州都(サクラメント)、メルボルンのバララットは観光スポットになっており砂金採りを体験できます。

 

 

日本でもゴールドラッシュ!?

 

海外ほどではないですが日本でもゴールドラッシュとも言えることが北海道で起こっています。 

元々北海道は蝦夷地(えぞち)と呼ばれており、その頃から砂金の産地でした。 

明治時代の1898年に道北にある枝幸(えさし)群で大量の砂金が発見され、4~5千人ほどの人が集まってきます。 

枝幸郡での砂金は4年ほどで衰退し、集まった人々は道内に散らばっていき、生田原町(現遠軽町)や下川町、紋別町などで金鉱脈を発見することになります。 

 

北海道の地名や河川の名前に現在でも金が使われているのは当時の名残りです。 

今でも浜頓別町のウソタンナイ砂金採掘公園や中頓別町のペーチャン川砂金堀体験場、大樹町のカムイコタン公園などで砂金採りが体験できます。

 

 

一獲千金は金だけではない!

 

ゴールドラッシュでお金持ちになった人達もいますが、それ以外の方法でお金持ちになった人達がいます。 

 

金の採掘で訪れた人々は、陸地を横断するルートや海を渡ってくるルートなどがあり、数カ月から1年ほどかけて訪れたとされています。 

そのため、数日過ごして帰るわけではなく、当然そこで生活をする必要があります。 

飲食店、宿泊施設、鍛冶屋、道具屋、銀行、弁護士、病院、学校など金発掘以外にも日常生活に必要な商売をする人達が出てくるのは容易に想像できます。 

 

その中でも、皆さんが良く知っているジーンズで大成功した人がいます。 

それは、リーバイス社のリーバイ・ストラウス氏です。 

当時の鉱夫達は、履いていた作業ズボンのポケットがすぐに擦り切れてしまい困っていました。

そこでリーバイス社の前身である会社と取引をしていた仕立屋のヤコブ・デイビス氏が、リベットでポケットを補強するというアイデアを出します。 

これがジーンズの始まりとなり、現代ではファッションアイテムの1つとして普及しているのは皆さんご存じのとおりです。

 

 

最後に

 

一獲千金を狙って人々が集まったゴールドラッシュですが、実際に大量の金を見つけて成功した人は少なく、その地で商売をして成功した人の方が多かったかもしれません。 

 

現代でもアラスカで金の採掘を行っている人々を追った番組があります。 

重機などを使って採掘していて楽かもしれませんが簡単ではないことがよくわかり、昔の採掘がもっと大変で過酷だったことも想像できます。 

また、人々が集まり国や街が栄えていくその過程には、元々住んでいた人々への迫害などが起きたということも忘れてはいけません。