私たちが生活していく上で、必ずと言っていいほどごみを排出します。
そのごみは市区町村により収集され、清掃工場で焼却し灰となり、多くの灰は埋立処分場で廃棄されます。
しかし、それにより地球環境に大きな負担を負わせています。
そのため、近年ではごみの問題が大きく取り扱われ、レジ袋が有料化になったり、プラスチックのストローの提供をやめる飲食店などが増えてきています。
同じく食品ロスも問題になっており、飲食店によっては廃棄前に安く提供したりしています。
買取店やリサイクル店でも買取品目は増加傾向にあります。
このようにごみを減らして資源を有効活用する取り組みを「3R」と言います。
今回の記事では「3R」の紹介と私たちの生活に浸透してきたリデュース・リユースについて詳しく説明していきます。
目次
そもそも「3R」ってなに?
3R(スリーアール)とは、以下の頭文字をとって呼ばれています。
1.Reduce(リデュース) ごみの消費を減らすこと
2.Reuse(リユース) 1度使用したものを繰り返し使うこと
3.Recycle(リサイクル) ごみを資源化し再利用すること
日本では、リサイクルの取り組みは進展しつつあります。
一方、リデュース・リユースの取り組みが進展していない現状が指摘されています。
今後、リデュース・リユースは率先して取り組む課題であり、このままでは温暖化ガスの排出によって地球温暖化を加速させてしまいます。
さらに、廃棄される資源、廃棄に使われる資源エネルギーは無限に存在するわけではなく有限であることから、自然環境のバランスが崩れ、いずれ生態系を破壊し私たちの生活に影響を及ぼす日がくるかもしれません。
では、私たちがこの先どう意識しどう行動するべきなのか、消費者と事業者それぞれの目線で見ていきましょう。
Reduce(リデュース)
簡単に言うと、ものを大切に使いごみを減らすという意味です。
消費者
ごみになるようなものはもらわない。食品ロスを減らす。ものを大切に使うなどです。
買い物に出かけた際は、マイバックを持ってレジ袋を削減する。
食料品はパック売りやケース売りではない、量り売りばら売りを利用し、必要な量だけを購入する。
また、利用頻度が少ないものはレンタルしたり、最近では様々なサブスクリプション(料金を支払うことによって、一定期間中に定められた商品を自由に利用できるサービス)を利用することによって、ブランドバッグや高級時計、カメラ、家電製品などの貸し出しを行っているお店も増えてきています。
そのサービスを利用することによって、商品そのものを購入せず、低価格でその短い間だけ使うことができます。
事業者
製品を作るときに廃材を少なくする。長持ちする製品を作る。アフターサービスの充実化などです。
事業者は様々な工夫や仕組みを作ることで、製造過程で出るごみや、消費者から出るごみの量を減らす取り組みをしています。
Reuse(リユース)
使用済みの製品や部品などを捨てないで、そのままの状態で繰り返し使用することです。
消費者
詰め替え用の製品を買う。いらないものをあげる譲る。修理や交換を行い再度使用するなどです。
ペットボトルなどは洗って飲み物を入れたり、ボディソープやシャンプーは詰め替え容器を再利用します。
身に着けなくなった指輪やネックレスなら、サイズ直しやクリーニングを行い、大切な人へ譲ります。
家具や電化製品が壊れたら修理に出して使います。
いらなくなった服やタオルを雑巾にして使用したり、缶詰に多肉植物などを植えたり、このようにアイデア次第で本来の用途とは全然違う使い方をすることで、ごみの量を減らすことができます。
事業者
リユースしやすい製品を作る。使用済み製品を回収して部品などを再生し、再び製品を作るなどです。
事業者が家具や家電などを回収して、使えそうなものは修理して再販し、古い家電で国内ニーズのなくなったものであれば海外に送る場合もあります。
買取店やリサイクル店では、買取をしたブランドバッグやジュエリー製品などをクリーニングし店頭にて販売します。
地方自治体が粗大ごみとして回収した家具で、まだ使えそうなものは無償で提供したり、修繕が必要なものは安く販売したりしています。
Recycle(リサイクル)
ごみを資源(材料)に戻して再び同類の製品を作ったり、その資源を使い全く用途の違う製品を作ることです。
消費者
ごみを正しく分別して捨てる。リサイクル品を利用するなどです。
自治体などによって違いはありますが、ビンやカン、ペットボトルなど、ごみによって捨てる日が決まっています。
街や駅などにも専用のごみ箱が置いてあります。
テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機などは買ったお店や認可を受けている業者に回収をお願いしたりします。
新聞や雑誌、段ボールなどはリサイクルされトイレットペーパーで再生利用しています。
事業者
リサイクル原材料を使って製品を作る。効率よくリサイクルしたり、リサイクルしやすい仕組みを作るなどです。
製品として価値のなくなった指輪やネックレスなどは、貴金属回収業者によって精製(不純物を取り除く作業)して、貴金属としてサイクルします。
最近では、プラスチックやナイロンなどの廃材から作ったスニーカーやスポーツウェアなども販売されています。
携帯電話も携帯ショップで回収しています。
私たちの生活に浸透してきたリデュース・リユース
リユースとリサイクルは商品購入後に取り組む活動であって、リデュースは購入前に取り組める活動で、そもそもごみを出さない予防効果があり、今では多くの方が意識されています。
具体的には、2020年7月1日より全国で開始したレジ袋の有料化です。
それまでコンビニやスーパーで買い物をすると、商品がレジ袋に入れられることが当たり前でしたが、お店を出てすぐに捨ててしまわれることも多く、資源の無駄遣いが問題視されていました。
しかし、今回の有料化により7割減少したお店もあると言われています。
また、飲料ではペットボトルや紙パックのごみ問題から、マイボトルを利用している方も増えてきています。
会社では、紙コップを使わずにマイカップを利用している方もいます。
このように、徐々に私たちの生活にリデュースが浸透してきています。
一方のリユースでは、購入した商品で自分がいらなくなったとしても、誰かが必要としている、直せば使える、部品は使えることもある、という考えが私たちの生活に浸透してきており、リユースに対する行動が以前より高まってきています。
その結果、買取店やリサイクル店に不必要なものを売却し、それらが店側でリユース・リサイクルに仕分けられ、お店の陳列棚にリユース品として並ぶ姿も増えてきました。
インターネットの普及により、オークションサイトを経由して、必要とする人へ販売されることもあります。
公園や広場で開催されているフリーマーケットで売る方法もあります。
このように、不必要な商品が必要な商品へと生まれ変わります。
リデュース・リユースのデメリット
リデュース・リユースによって、ごみの量を減らすこともできれば、新しい商品を生産する必要もなく、大きな施設であったり費用や手間が省かれ、資源エネルギーの消費も抑えることができ、環境問題や資源問題にも良い取り組みです。
しかし、どんな優れた商品やサービスであってもデメリットというものは付きまといます。
それはリデュース・リユースでも同じことが言えるかもしれません。
リデュース活動によって、今まで動いていた工場の製造ラインの生産が減少し、産業が落ち込む可能性はあります。
これは、リデュースに限らずリユースでも同じです。
リユースで商品を安く購入したものの、すぐ壊れてしまったり、すぐに修理が必要な場合があります。
その結果、新品を購入した方が安かった、なんてことがあります。
ただ、このようなケースはリユース品に限らず新品の商品でも起こりうるので、より可能性が高いと思っていただいた方が良いです。
また、オークションサイトは誰でも手軽に利用できますが、購入した商品が写真と違っていたり、販売者とのやり取りがうまくいかないなど、トラブルが起きる場合もあります。
最後に
「もったいない」という言葉があります。
日本人は昔からものを大事にしてきた歴史があり、「もったいない」という言葉は世界共通語にまでなりましたが、現在の日本は非常にごみの多い国になってしまいました。
3Rは日本の問題だけでなく世界共通の問題です。
私たち一人ひとりが意識して行動することで温暖化や環境汚染、資源の無駄遣いなど、地球環境を守ることができるので、より良い未来のために今一度3Rを意識してみてはいかがでしょうか。