ダイヤモンドっていつどのようにしてできたの?
『ダイヤモンドは永遠に』これは世界で最もよく知られた広告スローガンのひとつです。
ダイヤモンドの美しさの魅力を表し、ダイヤモンドの耐久性を指している言葉でもあります。
ダイヤモンドは150~200キロメートルの地底で、マグマに含まれる炭素原子が高温・高圧の環境の中で結晶化され、火山噴火により地上へ噴出したことでダイヤモンドは誕生しました。
現在、知られている最も古いダイヤモンドは45億年前で地球誕生(46億年前)とほぼ同時期に地球の地下深くで結晶化されたもので、今、一般的に身に付けているダイヤモンドは最低でも9億年前と言われています。
この9億年以上もの間、ダイヤモンドは美しさだけを保ちながら永遠に眠り続けていたんです。
ダイヤモンドの耐久性
ダイヤモンドの耐久性とはダイヤモンドができる過程に理由があり、その耐久性は以下の3つから成り立っています。
1.硬度
2.靭性
3.安定性
硬度
硬度とは引っ掻きや摩耗に対する抵抗力のことで、鉱物や宝石に対する硬さを「モース硬度」で表しています。
「モース硬度」とは、ドイツの鉱物学者フリードリッヒ・モースに由来しており、硬さの尺度を1~10段階まで割り振り、「1」がもっとも柔らかく「10」がもっとも硬いとされ、ダイヤモンドはそのモース硬度でも一番硬いとされてる「10」に位置づけされています。
身近なもので言いますと、銅製の硬貨で「3.5」、ガラスは「5」、ナイフの刃は「5.5」で如何にダイヤモンドの硬度が高いかを意味しますね。
靭性 (じんせい)
靭性とは衝撃による割れや欠けの抵抗力のことを表しています。
よくダイヤモンドは硬くて割れなくて丈夫であるような印象を持っている方が多いかと思いますが、靭性で言うと「7.5」で衝撃性には優れていない部分もあります。
緩やかな圧力なら強度も強いですが、強烈な圧力に対しては弱く、例えばハンマーなどで叩くと粉々に割れてしまいます。
これは、ダイヤモンドが炭素原子の結晶から生まれているので、炭素原子の密集度が他の鉱物より低いからではないでしょうか。
安定性
安定性とは化学物質や熱、光線に対する抵抗力のことを表しています。
ダイヤモンドは化学物質である、硫酸や硝酸、塩酸にも変化せず、また、長年日光にさらされたとしても変化しません。
前述の通り、そのような安定性があるからこそ、9億年前のものであっても美しさを保ち続けるんですね。
では熱についてはどうでしょうか?
まず、気温の高い地域で生活いたとしても支障がでることはなく、200℃くらいまでなら問題はないようです。
それが600℃まで達すると黒鉛化していまい、800℃まで達すると炭化し硬度が高いとされているダイヤモンドが柔らかくなるのです。
いやいや、そこまで熱することはないでしょう?って思う方もいますが・・・
実は、ダイヤモンドをカットする際、研磨する砥石とダイヤモンドの接地面は1,000℃を超えると言われています。そのため、誤って加工してしまうと、ダイヤモンドは炭化し硬さを失ってしまうようです。
ちょっと、話が逸れましたが、他の鉱物に比べると熱では若干劣る部分はありますが、化学物質や光線には強く、トータルすると安定性の高い鉱物に分類されるでしょう。
ダイヤモンドの性質
耐久性でダイヤモンドは衝撃には弱いとお話ししましたが、その他には「親油性」といって油が付きやすい性質があります。
そのため、普段の生活で当然ですが汗であったり皮脂と接触することはあります。もちろん、それでダイヤモンド自体損傷するることはありませんが、表面に油分が付着してしまい曇ったりして本来持っている輝きを損なっていることがあります。
もし、お持ちのダイヤモンドあれば、定期的にフキンなどで拭くことをオススメします。
取り扱い
鉱物の中で最も硬いダイヤモンドに引っ掻き傷をつけることができる鉱物はダイヤモンドだけと言われています。
なので、同じ袋に他の宝石を混ぜて入れておくと、石同士が擦れ合って他の宝石がダイヤモンドによって傷ができてしまいます。
また、衝撃に弱いこともありますので絨毯の上ならまだしも、外出中、硬い床であったり地面などに落とした時に当たりが悪いと、損傷に繋がる可能性が高いので、出来る限り外出中の付け外しは避けた方が良いでしょう。
最後に
人類の誕生は今から600万年前から500万年前になり非常に長い歴を歩んできました。
ただ、一般的に着けているダイヤモンドは最低でも9億年前と言われ、人類の150倍から180倍の歴史を歩んできており人類の知らない世界を知っていることになります。
この9億年以上もの間ダイヤモンドは人類に発見されるまでじっと待ち続けてくれていたからこそ、そのお返しとして人はダイヤモンドをこよなく愛することができるのでしょう。