敬遠されることが多かった「中古品」もリサイクルショップや個人間売買できるフリマアプリの登場で「中古品」に対する人々の抵抗感が薄れつつあります。
しかし、人によっては「中古品」を全く受け入れることができない人もいれば、アイテムによって抵抗を感じる人もいます。
そして、さまざまなアイテムの中で唯一「中古ジュエリー」だけを敬遠される方もいらっしゃいます。
そこで今回は「中古ジュエリー」が敬遠される理由などについて紹介していきたいと思います。
目次
なぜ、中古ジュエリーに抵抗を感じるのか
近年、男性・女性ともにファッションのひとつとして存在感のあるジュエリーが支持を集めています。
ただ、中古ジュエリーに抵抗を感じる人は少なくありません。
デザインが古い
どの時代であっても人々は流行に敏感であります。
その流行も以前とは異なり近年では毎年のように流行が変わっています。
それ故、衣類であれば流行おくれということで2~3年後には着れないこともあり、国内だけでも年間33億枚の衣類が処分され、全体の20%程度はリユース・リサイクルに回されているものの大半は処分されています。
もちろんジュエリーにも流行があり年数のサイクルが違えど同じことが言えます。
しかし、ジュエリーの場合はリユース・リサイクルだけではなく、その素材を使って今の流行に合わせたデザインにリフォームすることができるため、形は違えど何年も着け続けることができます。
前の持ち主の念がこもっている
前の持ち主の念がこもりやすい代表格は人形・ぬいぐるみが有名で、その他にもさまざまなアイテムがあり、中古ジュエリーもそのひとつで念がこもりやすいと言われています。
そのため、前の持ち主に不幸があればその不幸を引き継いでしまう、身に着けていると予期せぬ事が起こるのでは、と思われがちです。
だが、それは都市伝説のひとつに過ぎないような気がします。
なぜならば、近年ではリサイクルショップやインターネットオークションなどで数多くの中古ジュエリーが販売されており、今までに購入し身に着けそのような不幸に遭われた話を聞いたことがありません。
また、ジュエリーに留められている宝石は、宝石が持つ力を持ち主のみに発揮するだけであって、その持ち主が手放せば何ら意味をなさないからです。
なので中古ジュエリーに対する「念」は、あくまでも日本人特有の「思い込み」に過ぎないと言えそうです。
汚れている
指輪やネックレスなどは人の肌に接するので、どうしても汗や皮脂が付着し「汚れている」イメージがあります。
確かに何年も使用していると汚れはもちろんのこと細かな傷も入ります。
ただ、汚れや傷はジュエリーに限ったことではなく衣類や日用品、車、電化製品にも言えます。
また、それらは汚れや傷のほか型崩れや寿命というものが付きまといます。
その点において中古ジュエリーはクリーニングすることによってほぼ新品に近い状態まできれいにすることができ、変形して形が歪んだとしても修理が可能なため、寿命なく長年愛用することができます。
価値がなさそう
「中古品=価値がない」という考えの方は多いです。
それも当然のことで、多くの中古品の場合は傷や汚れを可能な範囲で取り除き再販しますが、やはり新品の状態からすれば見劣りし価値を落としてしまいます。
しかし、中古ジュエリーの場合は今は生産されていないヴィンテージ・ジュエリー(一般的に20~100年前に製造された製品)や、産出されなくなってしまった宝石が将来的に希少価値を生む可能性を秘めています。
さらに、中古ジュエリーはどれだけ傷や汚れを付けようと、素材である貴金属と宝石にはそれぞれ評価基準があるので、新品・中古の状態問わず素材価値は変わりません。
少し言い方を変えると、年月の経過とともに価値が上昇することもあれば、価値を落としたくても価値を「0」にすることができないアイテムなのです。
見方を変えれば魅力的なジュエリーに
中古ジュエリーに抵抗を感じる理由について紹介しましたが、それぞれ見方を変えれば以下プラスにできる魅力についても理解できたのではないでしょうか。
■デザインが古くなってもその素材を使って今流行りのデザインにリフォームできる。
■クリーニングすることによってほぼ新品に近い状態まできれいにすることが可能。
■型崩れや寿命がない。
■ジュエリーの状態問わず素材価値は変わらない。
■希少価値を生む可能性がある。
これに加え最大の魅力は“値段の安さ”です。
とくに個人間売買できるフリマアプリであれば定価の半値ほどで売られており、安ければ3割程度で売られているケースがあります。
鑑定やメンテナンスを行っているリサイクル店や中古ジュエリーショップであっても、安ければ5割程度で販売されています。
その結果、新品なら何十万~何百万もする高額ジュエリーであっても、半値近い金額でほぼ新品に近いジュエリーを購入することができるのです。
中古ジュエリーに抵抗ない人も
どんな製品であっても新品の状態なら慎重かつ丁寧に扱います。
なぜならば、何年もきれいな状態で大切に使いたいという心を持っているからです。
その一方で中古品になるとどうでしょう?
当然のことながら新品同様に丁寧に扱う人が大多数ですが、中には扱い方が変わる方もいらっしゃるようです。
それは新品なら「汚したくない」「傷を付けたくない」という大切に扱う気持ちが、中古品になると多少の汚れや傷が付いても良いって割り切られているようです。
やはり新品ジュエリーは何かの記念でプレゼントしてもらったり、自分のご褒美としてお小遣いを貯めて購入されるケースが多いため、特別なものになっているのでしょう。
そのため、丁寧に扱わないといけない新品ジュエリーに対して逆に抵抗を感じ、中古ジュエリーの方が抵抗なく扱えるようです。
中古ジュエリーの購入で注意しておくこと
憧れのジュエリーを安ければ定価の半値以下で購入できるのは中古ジュエリーの最大のメリットであります。
しかし、購入するにあたってメリットだけではなく、いくつかの注意も必要です。
偽物を掴まされる可能性
ジュエリーの場合は高額な製品が多いため、いくら半値近い金額で購入できたとしても、それが偽物であれば大きな損害になってしまいます。
安心して購入したいのであれば、鑑定士が在籍しているようなお店で購入したり、通販なら法人が運営しているストア、個人なら取引評価の高い出品者から購入すると良いでしょう。
ジュエリーに留められている宝石が欠けていることがある
中古ジュエリーを購入すると稀に宝石が欠けていることがあります。
場所や大きさにもよりますが宝石の輝きが損なわれてしまいます。
お店で購入するのであればメンテナンスを行っているので安心です。
たとえ後に気付いたとしてもアフターサービスとして対応してくれるでしょう。
ただ、フリマアプリなどで個人売買している場合は、お店のようにメンテナンスせず出品されているケースが多いので注意が必要です。
指輪のサイズ指定ができない
新品のジュエリーなら自分に合うサイズを購入することができます。
しかし、中古ジュエリーの場合は現品限りなので、いくら気に入ったデザインであっても自分のサイズに合わないことがあります。
そうなると当然のことながら購入費用にプラスしてサイズ直し費用が掛かってきます。
また、多くの指輪はサイズ直しが可能ですが、特殊なデザインであればそもそもサイズ直しができないことがあります。
最後に
今まで中古ジュエリーに抵抗を持たれていた方もいつしか抵抗がなくなったという方が近年増えつつあります。
それは「ものを大切にする」日本人の扱い方から生まれる安心感であったり、全国展開しているリサイクルチェーンやフリマアプリの登場で「使わないものは売る」「必要なものは中古品で安く購入する」「品質が良ければ中古品で十分」という意識変化が日本で起きていることがひとつ言えそうです。
ただそれ以上にジュエリーは土地に近いもので、資産価値が「0」になることもなければ寿命もなく半永久的なアイテムなので、その魅力に人々が気付き始めているのかもしれません。