ジュエリーに使用されている貴金属は、主に「金」「プラチナ」「銀」の3つです。
これらに異なる貴金属を混ぜ合わせてジュエリーが作られています。
なぜそのようなことをするのかというと、金100%、プラチナ100%、銀100%だと柔らかく耐久性も弱く、キズが付きやすくなります。
そのため、違う貴金属を混ぜ合わせることによって強度を高めているのです。
ただ、全ての商品に該当するわけではなく、主たる貴金属を100%使用したジュエリーは数は少ないですが、存在しています。
今回は異なる貴金属を混ぜ合わせる配分や名称などについてご紹介していきます。
イエローゴールド
読んで字のごとく黄色い金の事です。
色の特徴は光沢があり鮮やかな黄色をしています。
日本で18金イエローゴールドと呼ばれるものは、一般的に金75%:銀15%:銅10%の割合で作られています。
東南アジアの各国では、割合が異なるものの、多くの国でイエローゴールドは使われています。
ピンクゴールド
ピンクがかった色をした金の事で、銅っぽい赤みを持った色をしているものもあります。
華奢でかわいらしいジュエリーに多いです。
18金のピンクゴールドと呼ばれるものは、一般的に金75%:銀10%:銅15%の割合で作られ、イエローゴールドとは異なり赤みのある銅配合を多くしています。
ホワイトゴールド
見た目の色はプラチナや銀とあまり変わりません。
これは金色をしている「金」に、白色の金属である「パラジウム」「銀」「ニッケル」を混ぜ合わせることによって白色にしています。
ただ、プラチナ・銀・ニッケルのような白色になることはありません。
そこに、最終工程としてロジウムメッキという加工を施し、プラチナ・銀・ニッケルのような白さを出しています。
ホワイトゴールドは「white」と「gold」の略で‟WG”と刻印が打たれており、18金のWG(ホワイトゴールド)や14金のWG(ホワイトゴールド)と呼ばれています。
18金WGの場合、75%の金にパラジウム・銀・ニッケルを混ぜて作くるのですが、貴金属アレルギーを起こしやすいニッケルが混ざっていると、人によってアレルギーを起こすこともあるので、購入される際は気を付ける必要があります。
プラチナ
プラチナは金とは異なり混ぜ合わせる金属が同色の白色になりますので、色の違いはありません。
主に、95%のプラチナを使った「Pt950」、90%のプラチナを使った「Pt900」、85%のプラチナを使った「Pt850」の3種類になります。
Pt950の場合、一般的にはプラチナ95%:パラジウム5%
Pt900の場合、一般的にはプラチナ90%:パラジウム10%
Pt850の場合、一般的にはプラチナ85%:パラジウム15%
の割合で作られており、その中でも市場に多く流通しているの「Pt900」「Pt850」です。
最近ではルテニウムという貴金属を少量混ぜ合わせていたり、銅を少し混ぜていたりするモノもあります。
ちなみにダイヤモンドがはまっているジュエリーの中では、プラチナが一番きれいに見せることができます。
そのため、一般的なジュエリーにも使われていますが、金や銀とは違い変色もせず、ダイヤモンドを美しく輝かせることができることから、ブライダルジュエリーとして一番の人気を誇る金属になります。
シルバー(銀)
クロムハーツなど高価なジュエリーもありますが、比較的安価なモノが多く手が出しやすい貴金属です。
初めて買ったジュエリーがシルバーという方も多いのではないでしょうか。
またシルバーはジュエリーに限らず食器やメダル、トロフィーなど幅広く使われています。
シルバーもプラチナ同様で、異なる金属を混ぜ合わせても色の違いはありません。
主に、100%のシルバーを使った「SV1000(SV999)」、95%のシルバーを使った「SV950」、92.5%のシルバーを使った「SV925」の3種類になります。
SV1000またはSV999の場合、銀100%
SV950の場合、一般的には銀95%:銅5%
SV925の場合、一般的には銀92.5%:銅7.5%
の割合で作られています。
SV1000またはSV999は主にメダルやトロフィーなどに使われていることが多く、SV950とSV925はジュエリーのほか、メダル・トロフィー・食器など幅広く使われています。
シルバーは非常に変色しやすく、汗が付着しそのままにしておくとすぐ黒くなります。
これは錆びているわけではなく硫化しています。なので温泉に入るときは必ず外してから入るようにしてください。
また、『いぶす』といってわざと黒く加工して作ったりもします。
シルバーは手入れがしやすいのも特徴の一つで、硫化して黒くなってしまっても簡単にピカピカにすることができます。
パラジウム
最近ではパラジウムを主体としたジュエリーも出てきていますが、上記3つの貴金属に比べると少なく、主な貴金属に混ぜて使われることが多いです。
ジュエリー以外の主な用途としては、歯科医療で使われる皆さんご存じ銀歯に使われていたり、自動車の排気ガスに含まれている有害物質を取り除くための触媒や電子部品などにも使われています。
錆びも変色もしないパラジウムですが、アレルギーが出てしまう方もいるようです。
そのためドイツでは妊婦さんや幼児に対して使用を禁じているほか、歯科業界でもほとんど使用されていないようです。
最後に
主にジュエリーで使われている貴金属の種類、ということでいくつかご紹介しましたが、それぞれ貴金属を混ぜる割合というのは、製造メーカーやブランドによって違います。
また、種類はほかにもまだまだたくさんあり、金ならレッドゴールドやグリーンゴールド、パープルゴールド、ブラックゴールドなど、いろんなカラーバリエーションがあります。
海外に目を向ければ金もプラチナも銀もいろんな種類がありますので、自分に合う貴金属や好みのカラージュエリーを探してみるのも楽しいと思いますよ。