今の時代、パソコンやスマートフォンを使いインターネットを介して何でも買い物ができ、非常に便利な世の中になりました。
それまでは、ショップに足を運んで時間を費やしていましたが、お金で購入することのできない時間を存分に有効活用できているのではないでしょうか?
しかし、そこには稀に落とし穴も潜んでいることもあります。
ショップやデパートに行き買い物をすれば、そのショップやデパートが品質保証してくれますが、インターネットを介して購入すれば、偽物を売りつけている業者も潜んでいれば、個人間の取引を行うオークションでは、定価より安く購入できるメリットがある反面、本物かどうかの基準は出品者側の判断に委ねられていますので誤まって出品される可能性も0ではありません。
もちろん、アイテムごとに価格帯は存在しますので、価格帯の低い商品で失敗したとしても気にしないとしても、貴金属製品になると価格帯が上がってしまいますので、そこは慎重に買い物をしたくなりますね。
そこで今回は貴金属の「刻印」について紹介してしていきます。
貴金属刻印の誕生と意味
指輪やネックレスなどに打刻されている貴金属刻印の誕生は1300年頃のイギリスで誕生したとされています。
日本で貴金属刻印を採用し始めたのが1929年になります。
では、貴金属に「刻印」が打刻されている意味はなんでしょう?
貴金属の純度・ブランド名・宝石の重さ・金メッキといった情報が分かるようになっていること。
その情報によって品質証明してくれているのです。
貴金属は金属とは異なり貴重で高価なものになり、昔から現在にかけ偽物を作り続けている人たちも存在し、それらを見分けるために考案されたようです。
しかし、貴金属刻印があれば全てが解決っていうわけではなく、あくまでも品質保証する判断材料の一つとして考えないといけないのです。
日本では、1929年から貴金属刻印を採用したものの、必ず貴金属刻印を打刻しないといけないルールがあるわけではなく任意となっているのです。
もちろんショップ側は貴金属刻印を打刻し、品質証明をした方が購入者側も安心して購入できることを踏まえ、ほとんどのショップは品質証明として貴金属刻印を打刻しているのですが、それを逆手に、偽物の商品に貴金属刻印を打刻する業者も稀にいるのです。
そのため、貴金属刻印があれば安心はできるものの、100%信用できるものではないことも知っておいてください。
これだけは知っておきたい貴金属刻印
貴金属の刻印は様々で、宝飾業界に長年勤めていても、いまだに初めて見るような刻印に出会うこともあり、それを全て理解することは難しいと言っていいでしょう。
ここでは、代表的な刻印(■が刻印になります)について説明していきます。
金の刻印
■K24/1000/純金
24金で純度100%の金
■K22/916もしくは917
22金で純度91.6%の金
■K21.6/900
21.6金で純度90.0%の金
■K20/835
20金で純度83.5%の金
■K18/750
18金で純度75.0%の金
■K14/585
14金で純度58.5%の金
■K10/416
10金で純度41.6%の金
■K9/375
9金で純度37.5%の金
純金の小判や18金の指輪など耳にしたことがあるかと思いますが、純金の小判は100%金で作られたもので、18金の指輪は75%金を使っており、残りの25%は他の金属を使っていることになります。
また、K18やK9の金の純度を知りたいときは、その数字から100%であるK24で割ることで算出できますので、「24」という数字を覚えておくと便利です。
(K18÷K24=0.75=75% K9÷K24=0.375=37.5%)
そして、「/」右側の数字が打刻されていることもあります。この数字を10で割れば簡単に純度が分かります。
ちなみに「K」は純度を表す「Karat」の頭文字が使われています。
プラチナの刻印
■Pt1000
純度100%のプラチナ
■Pt950
純度95.0%のプラチナ
■Pt900
純度90.0%のプラチナ
■Pt850
純度85.0%のプラチナ
金と同じで、数字を10で割るとプラチナの純度が分かります。
(Pt900÷10=90.0%)
残りの10%はメインとしてパラジウムという貴金属を使っています。
銀(シルバー)の刻印
■SV1000/純銀
純度100%の銀
■SV950
純度95.0%の銀
■SV925
純度92.5%の銀
「SV」を省いた数字だけの刻印もあれば、数字の前に「SILVER」という刻印、「STERLING」と打刻されていることもあります。
純度は金やプラチナと同じで、100%に満たない純度のものには他の金属が使われています。
メッキの刻印
■GP( GOLD PLATED ゴールド プレーテッド )
金メッキ
■GF( GOLD FILLED ゴールド フィルド)
金張り
■GEP( GOLD ELECTRO PLATED ゴールド エレクトロ プレーテッド)
電気メッキ
■HGE( HARD GOLD ELECTRO PLATED ハード ゴールド エレクトロ プレーテッド)
金メッキ
■5M(ミクロン)
5ミクロンのメッキの厚さ
※数字は商品によって異なります
■1/10(分数)
1/10ミクロンのメッキの厚さ
※数字は商品によって異なります
多く出回っているメッキ刻印の一部になります。
貴金属刻印(K18やK14)の前後に上記の刻印があればメッキとして判断していただいて大丈夫です。
日本の「ホールマーク」刻印
前述の通り日本での貴金属刻印は、それぞれの業者が任意で打刻するので、その隙間を掻い潜って偽物が混在しています。
ただ、公的な第三者の立場として造幣局で品質証明することができます。
貴金属製品が基準通りの品質かどうかの検査を行い、それに合格したものだけが品質証明記号が打刻され、この品質証明記号を「ホールマーク」刻印といい、貴金属製品の売買では販売者と購入者の取引に貢献していると言っていいでしょう。
そのため、この「ホールマーク」刻印があれば、信頼できる商品であることになります。
「ホールマーク」は左側に日本の国旗が打刻されており右側にひし形で、そのひし形の中に純度が刻印されています。
最後に
今や貴金属製品などもインターネットを介して手軽に購入できる時代になったものの、その手軽さから巧妙な手口で偽物を売る業者も存在しています。
もし、高いお金を払ってインターネットで購入をするのであれば、信頼できるショップであったり、安心して購入できるサービスを実施しているようなショップを利用することをオススメします。