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カラーバリエーションが豊富なトルマリンの種類と価値


カラーバリエーションが豊富な宝石

 

他の宝石にはない多彩な色を持ち「存在しない色はない」と言われるトルマリン。

過去にはエメラルドやサファイア、ルビーなど、違う宝石に間違われてきました。

19世紀以降、正確に鑑別できるようになり、トルマリンとして分類されるようになります。

そんな多彩な色で私たちを魅了し続けているトルマリンの代表的な種類と価値について紹介していきます。

 

グリーントルマリン

緑色の宝石

 

エメラルドと間違われることが多かったのがこのグリーントルマリンです。
トルマリンの中でも1番多く出回っています。
黄色味がかったグリーンもあれば、青味がかったグリーン、濃いめのグリーンなど一言でグリーンといっても色味に幅があり、エメラルドとは違った色の魅力があります。
色味の幅は含有されている鉄分により変化します。

高品質と言われるグリーントルマリンは、透明度が高く、青みがかったグリーンになり、逆に黒っぽく暗い緑はあまり価値は高くありません。

グリーントルマリンの大きな特徴として、光の吸収が方向によって変わる多色性を持っていることがあります。
見る角度によっては明るいグリーン、他の角度から見ると青味がかったグリーンというように、どの角度から見ても魅力的な色を示すものが最も価値が高いとされています。

 

ピンクトルマリン

ピンク色の宝石

 

ピンク色をしたトルマリンでパワーストーンとしては恋愛運をアップさせてくれるので、ピンク色と相まって女性に人気があります。
濃い赤味のあるピンクのものから茶色がかった薄いピンクまで幅があり、トルマリンにしか見られない色合いも多いです。
基本的に透明度があり濃いピンクを示すものほど価値が高く、茶色味があるものは価値が低くなります。

 

ルベライト

赤色のの宝石

 

ルビーと間違われることが多かったのがこのルベライトです。
別名「レッドトルマリン」とも呼ばれています。

赤色のトルマリンで、赤味のあるピンクから紫がかった赤など色味に幅があり、女性に人気があります。
一般的にインクルージョンがありますが、これはルベライトを発色させるマンガンが成長中の結晶を傷つけてしまうからで、赤味が強ければ強いほどインクルージョンが多くなってしまいます。
そのため、透明度が高く鮮やかな赤色のルベライトは非常に価値が高くなります。
逆に赤が濃すぎて暗くなってしまうと価値が低くなります。

 

インディコライト

青色の宝石

 

インディゴライトは産出量が少なく藍色をしたトルマリンです。
後ほどご紹介するパライバトルマリンが発見されるまでは、トルマリンの中で一番価値がありました。
緑がかった青色もあれば、藍色っぽい濃い青色などさまざまな色があります。
その中でも、ほとんどは緑がかった青色で、純粋な濃い青色は希少です。
そのため、純粋な濃い青色ほど高品質と評価され、価値が最も高いとされていますが、残念なことに大きなサイズが発見されることはほとんどないようです。
また、グリーントルマリン同様に多色性を持っています。

 

パライバトルマリン

水色の宝石

トルマリンの中で最も価値があるのがこのパライバトルマリンで、宝石の中で最も価値があるとも言われています。
カラーも多彩でブルーやグリーン、パープルなどがあり、ブルーといっても緑がかったブルーや青味を帯びたグリーンなどがあります。
この美しい色は、マンガンと高濃度の銅によって発色しています。

以前は、ブラジルのパライバ州で産出されていましたが、近年ではほとんど産出されなくなってしまいしました。
2000年以降、ナイジェリアやモザンビークでパライバトルマリンが採掘されるようになりましたが、ほとんどが薄いブルーのため、パライバ産の「ネオンブルー」と呼ばれる色彩に比べると若干見劣りしてしまいます。
そのため、今後はパライバ産のパライバトルマリンは今以上に高騰していくとみられます。

 

バイカラートルマリン

1つに2色の宝石

 

通常1つの宝石に対して1つの色が存在しますが、バイカラートルマリンは2つの色を有しています。
その多くはピンクとグリーン系の2色ですが、他の色の組み合わせもあります。
また、1つで3色以上のトルマリンもあり、トリカラートルマリンやパーティーカラートルマリン、パーティーカラードトルマリンと呼ばれています。

この現象は、結晶の環境変化によって起こると言われています。
色を発色させる鉄やクロム、銅、パナジウムなどが時間がずれて取り込まれていくことによって形成されるのです。
バイカラートルマリンで価値が高いものとして、発色性が良く、傷が少なく、鮮明な色で2色に分かれているもので、色がボヤっとして分かれ目の分かりにくいものは価値が低くなります。

 

ウォーターメロントルマリン

スイカみたいな宝石

 

スイカを輪切りにしたスイカ模様に見えることから「ウォーターメロントルマリン」と呼ばれています。
中心がピンクや赤色で、その周りを白、そしてグリーン系で囲っています。
色の発色は、中心部にマンガンが入り込み、周囲には鉄分が入り込み発色しています。
このウォーターメロントルマリンは見た目から甘そうな香りがし、可愛さも兼ねそろえており、他の宝石では見れない値段以上の価値を生み出しているように感じられます。

 

トルマリンキャッツアイ

猫の目が見える宝石

 

猫の目のようなキャッツアイと言われる効果が出ているトルマリンです。
他の宝石でも見られる効果ですが、チューブインクルージョンと言われる管状の内包物が平行に並んでいるとキャッツアイ効果が出ます。
カラーで多いのはグリーン系で、次いでピンクになります。
バイカラーも存在しますが非常に希少で価値があります。
その他にも、インクルージョンや色の発色によって価格の違いはあるものの、ピンク色が人気で高値で取引されています。

 

最後に

トルマリンはカラーバリエーションが豊富で、1つのトルマリンに2色存在したり、ウォーターメロントルマリンのように変わったトルマリンもあり、トルマリンの中でも非常に価値が高いモノやそうでないモノもあります。そのためコレクターがいるぐらい非常に面白く魅力的な宝石です。
この先、まだ見つかっていない新種のトルマリンが見つかる可能性もあるのではないでしょうか。
ダイヤモンドやルビー、サファイア、エメラルドに比べるとご存じの方は少ないと思いますが、手に取りやすいトルマリンもありますので、この他とは違った魅力のある宝石トルマリンをこの機会のぜひ覚えていただき、手に取っていただければと思います。