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コラム

12月の誕生石!神秘的な輝きを持つタンザナイト


輝きが美しいタンザナイトリング

 

地球上で生まれた宝石はそれぞれに異なった美しいカラーが存在します。 

その中でブルーの宝石と言えば、多くの方はサファイアをイメージします。 

しかし、ブルーの宝石はサファイアだけに限らず、落ち着いたブルーの色合いをしたカイヤナイト、見る角度によって多色性を持つアイオライト、そしてブルー・バイオレットカラーで見る者を魅了するタンザナイトなどがあります。 

今回は世界中でも人気があり、ブルーサファイアによく似たタンザナイトについて紹介していきます。

 

 

タンザナイトの歴史

 

紀元前よりアクセサリーに使われていた美しい宝石もあれば、紀元後に発見された宝石もあります。 

それらの宝石は数百年~数千年という歴史を歩み、それと同時に宝石としての価値を高めてきました。 

ただ、タンザナイトの歴史は非常に浅く1967年に発見された新しい宝石のひとつになります。

 

 

原産地

 

多くの宝石の場合はさまざまな国で産出されますが、タンザナイトは東アフリカに位置するタンザニアのキリマンジャロ麓にあるメレラニ鉱山が唯一の産地となっています。 

このメレラニ鉱山は1998年の洪水によって閉山しており、その影響を受け一時は価格が高騰しています。 

その後、鉱山が再開され価格は安定していますが年々産出量は減少傾向にあります。

加えて埋蔵量の懸念から専門家の中ではこの先20年ほどですべて採掘される可能性があると言われています。

 

 

名前の由来

 

発見された当初は色合いが同じブルーサファイアと間違えられましたが、宝石学者による鑑定結果により青色の鉱物「ゾイサイト」であることが分かり「ブルーゾイサイト」として扱われていきます。 

ただブルーの美しい輝きが魅力ながらも「ブルーゾイサイト」という名前では価値を生み出すことができませんでした。 

しかし、世界的にも有名な米国宝石商ティファニー社が「ブルーゾイサイト」に目を付け、発見されたのがタンザニアであることと、タンザニアの夕焼けに似ていることから「タンザナイト」と命名しプロモーションしてきます。 

これによりまずアメリカ国内でヒットし、その後あるゆる国でも人気が高まっていったようです。

 

 

タンザナイトとサファイアの違いとは

 

見た目の違いで言えばブルーサファイアとタンザナイトはどちらも美しい青色をしており、パッと見ただけで判別するのは難しいかもしれません。 

ただ、サファイアは二色性で青色と淡青色をしているのに対し、タンザナイトは三色性で見る角度によって青色・淡青色・紫色が帯びて見えます。 

また太陽光の下では透明感のある群青色、白熱灯の下では紫色、蛍光灯の下では青色に見える特性がありますので、比較的容易に判別することが可能です。 

 

見た目以外の大きな違いとして鉱物が異なります。

ブルーサファイアはルビーと同じ「コランダム」で硬度はダイヤモンド(硬度10)に次ぐ9で耐久性に優れています。 

一方のタンザナイトは「ゾイサイト」という鉱物の一種となり硬度は6~7ほどで、簡単にキズ付くこともあれば強い衝撃を与えれば割れることもあります。 

 

見た目が見事なタンザナイトであっても、サファイアと比較すると歩んできた歴史が全く異なり歴史的な価値が低いことも挙げられます。

それはタンザナイトが発見されて50年ほどであるのに対し、サファイアは数千年という歴史の中で王や王妃、権力者などから重宝され続けてきた宝石であるからです。 

近年で言えば、1981年2月に英国のチャールズ皇太子が故ダイアナ妃にプロポーズした際にブルーサファイアの婚約指輪が贈られています。 

このように積み重ねてきた過去があるサファイアに対し、タンザナイトの歴史は浅く際立った過去がないため、ダイヤモンド・ルビー・エメラルドのように比較されるまでにはしばらく時間はかかりそうです。

 

 

タンザナイトの価値

青味が鮮明なタンザナイト

 

タンザナイトの市場価値基準となるのが色・多色性・透明度・カットになります。 

色は鮮やかな青味が強いものが評価され、特徴のひとつである多色性の鮮明度が高ければさらに評価をあげます。 

インクルージョンの有無は透明度に影響するため少ない方が評価され、カットが美しければより一層評価を高めるようです。 

 

ただ、ここで気になるのはカラット(ct)の評価基準があるのかどうかです。 

結論から申し上げると、カラットの評価基準は多少評価される程度になります。 

理由としては一般的に大きな結晶が採れるからです。 

具体的に言えば、同じクラスの1カラットと3カラットのサファイアとタンザナイトがあったとすれば、サファイアの場合は大きさが3倍だからといって金額差3倍ではなくおおよそ6倍前後になりますが、タンザナイトは多少評価されるものの3倍~4倍になる程度です。 

だが、少し観点を変えて解釈すると、購入時は小ぶりより大ぶりの方がお得であると考えれそうですね。

 

 

タンザナイトの取り扱い

 

タンザナイトの硬度は6~7で、これは宝石の中では平均的な数字になります。 

ただし、靭性は平均よりもやや低めなので衝撃を受けると破損するので注意が必要です。 

そのため、体を動かすスポーツや掃除をする際は取り外すようにしましょう。 

また、キズを防ぐため他の宝石とは遠ざけて保管すると良いです。 

洗浄方法は超音波洗浄機やスチームクリーナーは避けていただき、やわらかい布で汚れを拭き取ってください。 

それでも汚れが落ちない場合は、ぬるま湯に中性洗剤を入れ柔らかいブラシで洗い、真水ですすぎ、柔らかい布で水分を拭き取りましょう。

 

 

最後に

 

唯一メレラニ鉱山でしか採取できなく、産出量は年々減少傾向で、埋蔵量の懸念もあるタンザナイトはダイヤモンドの1,000倍希少価値があると言われています。 

かと言って、価格面でダイヤモンドより高いわけではありません。 

ただ、今後懸念されている産出量次第では需要と供給のバランスが崩れ、もしかすると近い将来対等できる日が来るかもしれませんね。