1980年代からバブル期にかけ喜平ネックレスは大流行し、男性に限らず女性からも支持されたジュエリーアイテムのひとつでした。
それがバブル崩壊と同時に人気に陰りが出始め、その結果として着ける方が少なくなり、キラキラとした主張の強さから 、今では「強面な男性が着けている」「成金っぽい気がする」「チャラい感じがする」など、ちょっと悪いイメージを持たれている方は少なくありません。
しかし、近年では芸能人や野球選手などからも人気を高め、また金相場の上昇によって資産価値を有するアイテムとしても注目されています。
そんな喜平ネックレスについて今回は紹介していきます。
目次
そもそも喜平とは
ネックレスにはさまざまなデザインが存在しています。
その中で定番のデザインとして知られているのが“喜平ネックレス”です。
今ではジュエリーショップにとどまらず、リサイクルショップや総合ディスカウントストアなどでも取り扱われるほどです。
チェーンの特徴としては楕円形のあずきチェーンを90度にひねり、表面を真っ平に押しつぶし、全ての輪っかを正面に向けたデザインのことを指します。
ちなみに、あずきチェーンとはポールに吊り下げられているチェーンのようなデザインで、楕円形の輪っかの向きが正面と横向き交互になっています。
そのひねりによって押しつぶされた表面が綺麗に並ぶことによって、シンプルでありながら重厚感のあるデザインになります。
名前の由来
ネックレスチェーンの種類にはいくつかあり・・・
小豆の形に似た“あずきチェーン”
ベネチアの窓の形とも言われている“ベネチアンチェーン”、
かしめ構造になっており蛇を連想させる“スネークチェーン”
ボール状の金属が連なった“ボールチェーン”
など、名称から何となく形状をイメージすることができます。
その一方で「喜平」と聞いてネックレスを思い浮かべる方は、ほぼいないに等しいでしょう。
では、なぜ「喜平」という名が付いたのでしょう?
名前の由来には2つ説があります。
1つ目は、金細工職人である「鈴木喜平」という人物が、デザインを考案したことから名付けられた説です。
2つ目は、アメリカ南北戦争時代に「騎兵隊」がつけていた鎖のデザインが日本に入ってきて「騎兵」が転じて「喜平」になった説です。
正解はともかく、近年出てきたデザインではなく、長い歴史の中で培った技術が継承され続けているアクセサリーのひとつであることが分かります。
喜平チェーンにはさまざまな種類がある
どんなデザインのネックレスであっても、太め細め、長め短めで重量や素材(金、プラチナ、シルバー)の異なるものが存在します。
それに加えて喜平には「カット」「編み方」など、さまざまな種類があります。
カットの種類
喜平には必ず表裏1面ずつ押しつぶした面があります。
その表裏の面数を合わしたものがスタンダードでよく見かける「2面喜平」と呼ばれています。
さらに表裏の2面の両サイドに2面+2面(計4面)追加されたものが「6面喜平」と呼ばれ、6面追加されれば「8面喜平」というようにその上は「12面喜平」「14面喜平」「16面喜平」などさまざまな種類があります。
面が追加されると加工工賃が掛かってきてしまうため値段は上がりますが、面数が多ければ多いほど光の反射でキラキラと輝きゴージャス感を演出してくれます。
編み方の種類
編み方には以下の3種類が存在します。
■シングル
■ダブル
■トリプル
シングルは一般的なチェーン同様に、1つの輪っかに1つの輪っかを通した作りです。
ダブルは1つの輪っかに2つの輪っかを通した作りです。
トリプルは1つの輪っかに3つの輪っかを通した作りです。
1つの輪っかに通す輪っかが多くなるほど、密度が高まり重厚感が増します。
素材の種類
喜平ネックレスでもっとも人気高い素材はK18(純度75%)です。
その他に同じ金であればK14(純度58.5%)やK10(純度41.6%)の比較的安価なものもあります。
ただし、純度が低くなるにつれて金以外の金属(銀や銅)の割合量が多くなるため、ゴールドの色味が薄くなります。
また、純金(純度99.99%)の喜平ネックレスも存在しますが、純度が高いがゆえ衝撃に弱いため取り扱いが難しいとも言われています。
金以外であればプラチナやシルバーなどもあります。
プラチナの主流はPt850(純度85%)で、その他にはPt900(純度90%)、Pt950(純度95%)、Pt1000(純度99.95%)のものがあります。
シルバーは金やプラチナより材料費が安価なため、比較的購入しやすい金額で販売されています。
しかし、変色しやすい素材なので、細目に手入れする必要があります。
長さ・重さ
喜平ネックレスの長さは40cm、45cm、50cm、55cm、60cmというように5cm刻みで販売されていることが多いです。
女性であれば、40cmで鎖骨の下あたりにトップがくるイメージで、50cmなら胸元あたりになります。
男性は女性に比べると首回りが大きくなるので、これに5cm~10cmほどプラスすればイメージしやすいです。
重さは10g、20g、30g、50g、100gという感じで、数グラム単位ではなく十グラム単位で販売されることが一般的で、重量が増すごとに比例して販売価格が高くなります。
資産としての実用性を兼ね揃えている
宝石などがあしらわれているジュエリー製品や喜平ネックレスはファッションの一部として実用される役割を果たしています。
それに加えて喜平ネックレスは、ジュエリー製品以上に資産としての側面も見逃すことができません。
と言うのも、ジュエリー製品であれば、一からデザインしたり、さまざまな加工コスト、流通コストなど費用は増大し、「金」「プラチナ」「宝石」本来の資産価値から離れてしまいます。
一方の喜平ネックレスは、一からデザインする必要はありません。
さらにチェーンを繋ぎ合わせるというシンプルな構造をしているので、加工コストも抑えられています。
つまり、金やプラチナ本来の資産価値に近く、身に着ける役割を果たすアクセサリーになっているのです。
そのため、実物資産として保有している方も少なくありません。
最後に
ネックレスの定番となっている「喜平」は、カットの種類から始まり、編み方、素材、長さ、重さと選ぶべきポイントがいくつかあります。
そのポイントを理解せず購入してしまうと、洋服とのバランスが崩れ悪目立ちし、ネガティブなイメージを持たれてしまいます。
しかし、そのポイントを理解し自分のファッションに合うデザインを購入することさえできれば、たとえ周囲がネガティブなイメージを持っていたとしても払拭できるアイテムになるはずです。