真珠の色は？と聞かれたら、白と答える人が多いのではないのでしょうか。
私も宝飾業界に入るまでは真珠と言えば白と思っていました。
しかし、白以外にもたくさん色が存在し、同じ真珠でも違いがあります。
では違いがある真珠の価値はどうやって決めるのでしょうか？
品質を決める６つの評価基準を総合的に見て判断していきます。
真珠の品質を決める要素
①巻きの評価
巻きとは真珠層の厚みのことで、核を中心に真珠層が巻かれていき真珠ができます。
巻きが良いという言い方をするのですが、厚みがあるほど巻きが良いとされ、質が良く輝きも強く耐久性があります。
巻きが薄ければ真珠層が薄いということなので、核が透けて見えたりするモノもあり劣化しやすいです。
ただ、一般の方や、ジュエリー販売店や卸業者でもあっても、この巻きを見極めることは困難であり、熟練の目をもっている人でしか見極めることができないと言ってもいいでしょう。
②テリの評価
テリとは漢字で書くと照りとなり、真珠の輝きであったり光沢感のことです。
テリが強いほど評価が高く、テリが弱いと評価が低くなります。
このテリも真珠層の巻きが関係しています。
テリがいいと映り込むものがシャープに見えます。
テリがよくないとボヤっと見えます。
③キズ（エクボ）の評価
評価はキズの多さや大きさ、場所がポイントとなり、無キズ、小キズ、中キズ、大キズに分けられ、キズが少ないほど良い真珠とされます。
キズというのは引っ掻いたようなキズとか擦ったようなキズのことではなく、小さな突起やへこみのことで、このへこみのことを『えくぼ』と言います。
天然でも養殖でも自然の中で生物が生成するものなので、どうしてもキズができてしまいますが、中にはほぼ無キズの真珠もあります。
④カタチの評価
評価は真円に近いほど高くなり、逆に言うと真円から遠いほど評価が低くなり、段階としてはラウンド（真円）、セミラウンド（やや丸い）、バロック（変形）に分けられますが、もう少し細かく分ける人やお店があります。
真珠は真円に近いモノは希少で、多くはいびつな形をしています。それは真珠層が厚く巻くほど歪んでいくからです。
しかしいびつなモノでもドロップと言われる涙型をした真珠は評価が高めで、2つ1セットのイヤリングなど、ペアになっている真珠の形がそろっていると評価が高くなることがあります。
⑤色目の評価
真珠の色と言えばやはり白（ホワイト）ではないでしょうか。ホワイト以外でゴールドやブラックがあるのをご存じの方もいいらっしゃると思います。
しかし、真珠の色は種類によって違い、ピンク系、ブルー系、グリーン系などがあり、ホワイトでもクリーム色っぽいモノやピンク色っぽいホワイトなどいろんな色があります。
そのため、色に関しては真珠の良し悪しの高い低いではなく、強いて言えば次代の流行に左右されます。
また、色は好みの要素が非常に強いので、皆さん個人個人の評価になると言ってもいいかもしれません。
⑥大きさの評価
大きさとは重さではなく、直径のことを示します。
「巻き」「テリ」「キズ」「カタチ」「色目」が同じ評価のモノでしたら、大きくなればなるほど評価が高くなります。
アコヤ真珠に関しては大体７ｍｍ～８ｍｍが主流で、８ｍｍ以上のモノは大珠と言われ、「巻き」「テリ」「キズ」「カタチ」「色目」の程度が同じ評価なら、大きいほうが価値も価格も上がります。
しかし、８ｍｍ以上の大きいサイズを作るのは天然ではもちろん、養殖でも簡単ではありません。
大きいサイズを作る場合、大きなアコヤ貝に大きな核を入れるのですが、貝が死んでしまったり真珠層が巻かれなかったりすることが多いからです。
連相の評価
連相とは、ネックレスや2つ1セットのイヤリングなどを作る際、同品質の真珠にてバランスを揃える作業のことを言います。
真珠はそれぞれが異なる環境で育ちますので、「巻き」「テリ」「キズ」「カタチ」「色目」「大きさ」が全く同じモノは存在することはありません。
そのため、必要になってくるのが職人による連相技術になります。
この技術が劣れば、その商品自体評価が下がってしまいます。
逆に技術が優れていれば、品質が均一で美しく見え、身に着けている人の美しさも演出してくれます。
最後に
天然真珠でも養殖真珠でも採ったあと、ほかの宝石のようにカットしたりキズを埋めたりなど人の手を加えません。
ただし、ネックレスやピアスは穴を空ける必要があるので仕方ないですが、真珠は自然の中でできたそのままの状態でお店に並びます。
皆さんも真珠をお探しの時は、いろんな角度から見てみてはいかがでしょうか。
今までとは違った出会いがあるかもしれません。
評価の要素は基本的に上記内容になりますが、お店や人によって多少の違いがありますので、参考にしていただければと思います。
