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コラム

婚約指輪と結婚指輪の由来


結婚式場

 

婚約指輪とは、男性から女性へ結婚の約束に贈る記念指輪で、一方の結婚指輪は、結婚式で男性と女性が交換するペアリングのことを指します。 

最近では結婚式を挙げれなかった夫婦であったり、婚約指輪を購入しなかったカップルも増えてきていますが、ほとんどの夫婦が結婚指輪を購入している方は多いかと思われます。 

 

今では当たり前になっていますが、そもそも結婚指輪をいつから用いるようになったのか? 

また、婚約指輪はいつから女性に対して贈られるようになったのか? 

その由来や指輪に込められた意味などを紹介していきます。

 

 

婚約指輪の始まりは 

プロポーズで渡す婚約指輪

 

婚約指輪の始まりは、古代ローマ時代(紀元前753年~西暦476年)まで遡り、紀元前3世紀頃には男性から女性へ指輪を贈る習慣がありました。 

女性へ指輪を贈ることは婚約が成立したことの証であり、その当時は鉄製の指輪を互いにはめていたそうです。 

2世紀頃には、鉄製の指輪から金の指輪が作られるようになり、現在の恋人同士がはめている愛の証である指輪が使われるようになりました。 

また、指輪の形状はエジプトの象形文字から始まったとされています。 

エジプトの象形文字の結婚という言葉は「円」で描かれており、その形状には「永遠に二人の愛は途切れない」という意味が込められていたのです。

 

 

いつから婚約指輪にダイヤモンドが定番となったのか?

ダイヤの指輪

 

結婚指輪といえば夫婦がお揃いで着けているシンプルな指輪が多いのに対し、婚約指輪はダイヤモンドが定番となっています。 

一体いつ頃からダイヤモンドが定着し、数多くの宝石の中からなぜダイヤモンドが定番となったのでしょう?  

  

中世ではもともと婚約指輪にはダイヤモンド以外の宝石が使われていました。  

それがダイヤモンドへ移行していったのが大航海時代の15世紀となります。  

その当時は裕福な王侯貴族だけが結婚の際にダイヤモンドを贈られていましたが、19世紀に入り南アフリカでダイヤモンド鉱山が新たに発見されたことによってダイヤモンドの産出量が増え、徐々に経済力のある庶民にも広まっていったとされています。 

 

また、ダイヤモンドは宝石の中でも最も硬度が高く、化学薬品や紫外線にも強く美しい輝きを保ち続けます。  

こうした性質から「永遠」「不屈のちから」「征服されない」などの意味がこめられており、ダイヤモンドがもつ永遠の輝きとともに、夫婦の‟永遠の絆”として流行していきました。

 

 

結婚の儀式とともに結婚指輪の交換が始まった

結婚指輪の交換

 

結婚指輪を男女ではじめて交換するようになったのは9世紀まで遡ります。 

860年ローマ教皇であったニコラス1世が結婚の際、「夫となるものは経済的犠牲を払ってでも将来の妻に指輪を贈らなければならない」と結婚発表には指輪が必要と命令したのが始まりと言われています。 

1027年にミュールが記した「ローマの結婚指輪(マリッジリング)の起源」の中には、「花婿は花嫁に金の指輪を、花嫁は花婿に鉄の指輪を交換している」という記述が残っています。

 

 

日本における結婚指輪と婚約指輪の始まりは

結婚指輪を好感した夫婦

 

日本では装飾品として指輪が用いられるようになったのは明治時代からとなります。 

世界的に見ても明らかに遅れを取っていました。 

その大きな理由として、鎖国(1639年~1854年)によって海外の文化や価値観がもたされることがなかったからでしょう。 

鎖国が終わると同時に、海外からの文化や価値観が取り入れられ、宝飾品である指輪は着物や日本人の肌との相性も良く、控えめな日本人に好まれました。 

そして、キリスト教式では結婚指輪の交換が行われたり、結婚指輪の広告が掲載されるようにもなり、一般庶民にも徐々に知られ広まっていき、大正から昭和にかけて習慣となっていきました。 

 

一方の婚約指輪が習慣となったのは、昭和30年以降となります。 

それまではダイヤモンドは輸入制限をかけられていましたが、昭和36年に制限が解除され高品質のダイヤモンドが世界各国から輸入できるようになります。 

また、昭和41年に世界的に有名なダイヤモンドの供給会社(デビアス社)が日本に上陸し、婚約指輪のキャンペーンを打ち上げ、国内で一気に広まり習慣となりました。

 

 

結婚指輪を左手の薬指にする意味や由来

結互いに婚指輪を着けている夫婦

 

普段何気に左手の薬指にはめている結婚指輪。 

今となれば習慣となっており深く考えたこともない人も多いのではないでしょうか? 

結婚指輪が左手薬指にはめられるようになったのは、古代ギリシャの習慣が由来とされています。 

古代ギリシャでは、心臓は人の感情を支配している場所で、その心臓から左手薬指にかけては一本の血管が繋がっていると考えられていました。 

要は左手薬指は愛情に結び付く神聖な場所に等しかったのでしょう。 

それから、現在においても左手薬指にはめる習慣が根付いています。

 

 

最後に

 

婚約指輪は2200年以上、結婚指輪は1200年以上の古い歴史があるものの、日本の歴史は100年ほどで非常に浅いってことが分かったかと思います。 

今では考えづらいのですが、如何に当時は日本の文化が世界に遅れを取っていた証でもあるでしょう。 

 

また、今は当たり前のように夫婦の愛を誓う結婚指輪を左手薬指に着けていますが、何らかの事情で左手薬指に着けれない場合は、その習慣に合わせる必要はないでしょう。 

そんな場合は、自分に合った方法で結婚指輪を身に着けるのもひとつで、着ける場所が習慣と異なったとしても身に着けることによって夫婦の愛情を深めることができるでしょう。