真珠の貝と言えばアコヤ貝を思い浮かべる方が多いと思いますが、アコヤ貝以外にも真珠を作るってご存じでしょうか?
また、そもそもどんな貝が作ると思いますか?
真珠にはたくさん種類がありそれぞれ特徴も違います。
そんな真珠の魅力をご紹介していきたいと思います。
目次
天然真珠とは
真珠の貝と言えばアコヤ貝が有名ですが、そもそもどの貝でも作ることができるのかというと、できません。
基本的には真珠を作ることできるのは真珠層と言われる、貝などが外套膜(軟体動物に見られる器官)から分泌される炭酸カルシウムが主成分の光沢物質のことで、この真珠層を持っている貝が作ることができるのです。
アコヤ貝などの真珠層を持つ貝の中に異物が入り込んだり、何かしらの刺激を受けて真珠袋というのが形成され、真珠層が長い年月をかけて重なっていくことで真珠ができます。
天然真珠は自然にできるモノなので、基本的には中心に核があるのですが、虫や砂などが核になり、その周りに真珠層が巻かれて重なっていき、大小バラバラな大きさであったり、丸だったり楕円形だったり、様々な形ができます。
また自然にできるモノなので丸くてきれいな天然物は数が少なく希少です。
養殖真珠とは
真珠層がある貝の中に真珠の核となる丸い核を入れて人工的に作ります。大体3年半~4年くらいで真珠ができ、天然か養殖かを見分けるのは非常に難しく、それだけ養殖真珠は出来がいいのです。
天然真珠は長い時間をかけて作られ真珠層が何層にも重なっているので全部が真珠層ですが 、養殖真珠の真珠層は0.5mm~1mm程度しか真珠層がありません。大きい養殖真珠は核が大きいというだけで真珠層の厚みは変わりません。このため価格も大きな差がつくことはありません。
また0.5mm~1mmという厚みしかないので、変色しやすかったやすかったりテリがなくなりやすかったりと見た目の変化が出やすく、特にネックレスは肌に触れることが多いため汗や化粧品などでダメージを受けやすいので、アフターケアが大事です。
真珠の種類
①アコヤ真珠
一番有名なのはアコヤ真珠でしょう。アコヤ貝から採れるのですが、貝自体の大きさが手のひらサイズとあまり大きくないので、大きさも2mm~8mm程度で小ぶりなモノが多く、10mm近いモノは希少です。
真円と言われる丸形がほとんどでキメが細かく、ホワイト系やクリーム系の色が多く、ゴールド系やピンクっぽいホワイトなどもあります。
また、巻き、照り、キズ、形、色の全てにおいて最高品質の花珠という非常に希少な真珠が採れます。
古事記や日本書紀にも記述があるほど昔から日本にはなじみのある宝石です。
現在では養殖されたアコヤ真珠がほとんどで、日本の真珠の品質は最高ランクと言われており、三重県、長崎県、愛媛県が日本の三大生産地と言われています。
②黒蝶真珠
アコヤ貝の仲間の黒蝶貝から採れ後述で説明する白蝶貝のように大きくはなりません。
大きさは8mm~12mm程度が多く、18mmの大きいモノも採れます。
形状は多彩でラウンド(丸)形やバロック(変形)、ドロップ(しずく)形などで、色味はブラック系、レッド系、グリーン系、イエロー系で、赤味がかった深緑色はクジャクの羽のような色をした『ピーコックグーリン』と言われ、希少価値があります。
天然モノは40万個の黒蝶貝に1個しか発見できないと言われるほど貴重です。
熱帯の海に生息しており、主にタヒチで養殖されており、タヒチ真珠と言われます。
日本では琉球真珠株式会社が養殖をしており、黒蝶真珠の養殖におけるパイオニアです。
③白蝶真珠
アコヤ貝の仲間の白蝶貝から採れ30cm以上に成長します。
そのため大粒な真円で10mm以上、中には15mm~20mmの大珠も採れることがあります。
ラウンド(丸)形やバロック(変形)、ドロップ(しずく)形、ボタン形などいろんな形があり、シルバー系やゴールド系が多く、シルバーホワイトやイエローなどいろんな色があります。
オーストラリアやフィリピンなど温かい海域に生息し、養殖も行われています。
日本では琉球真珠株式会社が養殖をしています。
④淡水真珠
淡水に生息する貝から採れるのですが、主にイケチョウ貝、ヒレイケチョウ貝という二枚貝から採れます。
淡水パールは核がないのでいろんな形があります。丸形や卵形、ジャガイモみたいな形、ケシの花びらのような形などたくさんありますが、最近では核を入れるようになり、さらに形の種類も星形や四角なども作れるようになりました。
ホワイト系やオレンジ系、パープル系、グレー系など色も多彩で、大きさは2mm~10mmほどです。
現在では主に中国からの輸入品が多く、日本では琵琶湖で養殖されていましたが、残念ながら2019年で終わってしまいました。
⑤マベ真珠
マベ貝から採れるものだけをマベ真珠と言います。
半球状(ドーム型)で、他にもハート形やドロップ(しずく)形などを作ることができます。少量ではありますが球形も採れます。
美しい虹色をしており、ホワイト系やピンク系、グリーンっぽいのもあり、光の当たり方などで色味が変わり美しいです。
大きさは10mm~30mmと大きいモノが取れますが、大きくなればなるほど数は少なく価値が上がります。
マベ貝は世界各地の熱帯・亜熱帯海域に生息しており、日本では奄美大島から沖縄にかけて生息しており、養殖も行われています。
真珠層を持たない天然真珠
①アバロン真珠
カリフォルニア近海に生息しているクジャクアワビから採れ、角型や薄いへら状など変わった形をしており、貝の内側と同じような青、緑、紫、赤などが複雑に絡み合った真珠層でできた真珠とは違った虹のような美しい色をしています。
養殖も始まっており天然モノは極めてまれに見つかります。
②コンク真珠
コンク貝またはピンク貝という貝から採れ、カリブ海周辺に生息しています。
養殖も行われているのですが、なかなか難しく量産はまだできないようで、天然モノはさらに数が少ないことから、非常に希少です。ピンク貝というだけあって、ピンク色をしているモノがほとんどですが、赤系やオレンジ系、黄色などもあり、楕円形です。
火炎模様が入っているモノは価値が高くなります。
③メロ真珠
ハルカゼヤシガイという貝から採れ南シナ海に生息しており、非常に希少です。
丸形や楕円形で薄いオレンジ色をしており、火炎模様があるモノもあり価値が高くなります。
大きいモノが多く3cmを超えるものもあります。
最後に
真珠層があれば真珠を作ることができるので、ご紹介した貝以外にもシジミやアサリ、ホタテなどでも極々稀に作ります。
しかし残念ですが宝石としての価値は全くありません。
もしかしたら、知らない間に食べているかもしれませんね。
真珠にはたくさん種類があり、同じ真珠でも形や色、大きさなどそれぞれ違いがあります。
真珠を使ったジュエリーは様々で、カジュアルからドレスなどいろんな服装にも合い、コーディネートがしやすいです。
まだお持ちでない方はこれを機に、パールジュエリーを購入してみてはいかがでしょうか?