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2月の誕生石!アメジストの知ると面白い歴史や特徴


アメジスト(紫水晶)

 

アメジストは和名「紫水晶」という別名を持っており、その名のとおり透明度の高い水晶になります。 

地球上にはいくつもの水晶は存在しており、その中でも透き通った紫色の美しさから、水晶の中でも古代より重宝されていた宝石のひとつになります。 

そんなアメジストの歴史とともに、少し変わった名前の由来や宝石の特徴などを紹介していきます。

 

 

アメジストの歴史と名前の由来

紫水晶(アメジスト)

 

アメジストの歴史は古く、紀元前まで遡り古代ギリシャの王である、かの有名なアレキサンダー大王の時代から始まったとされ、旧約聖書や新約聖書にアメジストの記述があります。 

 

古代エジプトの初期王朝時代第1王朝(紀元前3000年頃)の3代目ファラオであるジェルのお墓からアメジストのブレスレットが発見されました。 

中王国時代(紀元前2000年頃)のエジプトでは広く普及していたようで、ネックレスに加工したり、太陽をつかさどる神の化身としてあがめていたスカラベを模したアメジストなどがあり、上流階級やの令嬢などに与えられていました。 

 

古代中国では皇帝だけが身に着けていました。 

 

中世ヨーロッパでは、アメジストで作られたグラスにワインを入れると水になり、水を入れるとワインになるとされ酔い防止として使われていました。 

 

紫色は人口で作ることが難しかったため、神聖な色として扱われ王族などの非常に高貴な身分である人々や聖職者が所持していました。 

 

さて、アメジストの名前の由来は古代ギリシャ神話まで遡ります。 

ワインの神様ディオニュソス(ローマ神話ではバッカスと呼ばれています)がお酒を飲み酔っ払い、これから最初に通りがかった人間をピューマに襲わせようと考えました。 

そこにたまたま歩いてしまったのが、月の女神アルテミスに仕える美少女の化身「アメジスト」だったのです。 

そして、ピューマが「アメジスト」に襲いかかろうとしたとき、それに気づいたアルテミスが瞬時に「アメジスト」を水晶に変化させ、ピューマから「アメジスト」を救いました。 

やがて、酔いから冷めたディオニュソスは反省し、その水晶の美しさに呆然とした後、水晶に葡萄酒を注ぎました。 

すると、水晶は透き通った紫色に変化し、美しい紫水晶「アメジスト」が誕生したのです。

 

 

アメジストの原産地

アメジストの原産地

 

主にブラジル・ボリビア・ウルグアイ・ザンビア・アメリカ・マダガスカル・インドなどで産出されます。 

現在では南米とアフリカが重要な原産地ですが、19世紀まではロシアが主な原産地でした。 

ちなみに日本の宮城県、鳥取県でも産出されたことがあります。 

 

産地によって違いがあり、ブラジル産は明るい色をしており、アフリカ産は小ぶりなものが多いが彩度が高く、アメリカ産は大ぶりなモノが産出され、稀にダークパープルやパープリッシュレッドという色の高級なアメジストが産出されます。

 

 

アメジストの鉱物名

アメジストの鉱物

 

アメジストは水晶で鉱物名は石英(クオーツ)で、水晶にいろんな成分が混ざった結果、紫色になった水晶をアメジストと呼びます。 

アメジストの仲間に、ピンク色をしたローズクオーツと呼ばれるモノや黒っぽい茶色をしたスモーキークオーツと呼ばれるモノがあります。 

しかし、この2つは宝飾品としての数は多くありません。

 

 

アメジストの価値

宝石箱に入ったアメジストのルース

 

価値を決める判断基準としては「カラー」「クラリティ」「カット」「カラット(重さ)」になり、その中でも需要なのは「カラー」「クラリティ」です。 

最も価値のあるアメジストのカラーは肉眼で見たときにカラーゾーニング(色むらのような感じになっている)がなく赤味のある紫から紫色です。 

しかしその色が濃すぎたり暗すぎると価値が下がります。 

クラリティはほかの宝石と同じように内包物がないものが価値が高くなります。

 

 

アメジストの特徴

指で掴んだアメジスト

 

アメジストは宝石として扱われること以外にも、パワーストーンや水晶玉そして原石のまま販売されたりしており、手に取りやすく日常に溶け込んでいる宝石の一つと言えるでしょう。 

モース硬度(MAX10)は7で、硬すぎずかつ柔らかすぎないので様々なカットができ、バリエーションも豊富です。 

アメジストの元は透明なクオーツで、そこに鉄分やアルミニウムなどが混じることで色が付き、それによりピンクっぽい紫や青紫、紫などのカラーバリエーションが生まれます。 

 

モース硬度は7と比較的硬いのですが、熱に弱いという弱点があり、変色してしまう恐れがあります。 

また、もろくなってしまう可能性もありますので、注意が必要です。 

ちなみにシトリンという石はアメジストを加熱して作られています。

 

 

アメジストの取り扱い

 

先述したように硬さはありますが熱に弱いという性質ですので、日光にさらし続けたり、身に着けたまま熱いお風呂に入ることは避けてください。 

硬さはあるので、超音波洗浄機で洗浄することはできますが、出来るだけぬるま湯に石鹸を溶かして優しく拭き、石鹸を落としてから柔らかい布で拭くことをお勧めします。

 

 

最後に

 

現在では宝石やパワーストーン、原石など大きいモノから小さいものまであり、手にしやすく手に入れやすい宝石ですが、昔はその紫いという色から高貴な色や神聖な色として王侯貴族や聖職者たちが身に着けていたアメジスト。 

しかし、その神秘的な色合いは今も昔も変わりません。 

また、ヒーリング効果や恋愛ごとにも向いているとされており、カラーも様々な紫があるので、プレゼントや自分へのご褒美など、お気に入りのアメジスト探してみてはいかがでしょうか?