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貴金属の買取で失敗したくない!未然防止のポイント


買取した貴金属

 

近年、金相場が上昇し続けており不要となった貴金属を売却し、ちょっとしたお小遣いを手にした方も多いことでしょう。 

その一方で、売却した後に「買い叩かれた」ということが判明した方もいらっしゃれば、詐欺的な手口で騙された方も少なからずいるようです。 

そこで今回は買取で失敗しないためにも未然に防止できるポイントについて紹介してきます。

 

 

買取価格を調べておく

金の相場の動向

 

貴金属である金・プラチナ・シルバーには毎朝9:30に田中貴金属が公表している「国内相場」というものがあります。 

国内相場は日々変動をするため昨日と今日、今日と明日では価格が変わり、その国内相場を基に各買取店の買取価格が日々設定されています。 

ただ、基準となる国内相場は共通価格であるものの、買取価格はお店によって異なっています。 

 

それはお店を構えて従業員を雇っていれば家賃や人件費、光熱費などさまざまなコストがかかってくるため「店舗経費」+「利益」を差し引いた上で買取価格を設定しているからです。 

これは買取に限らず全ての業種に該当します。 

一般的には「店舗経費」「利益」が大きければ買取価格は低く、逆に小さくなると買取価格は高くなり、お店によっては倍以上の価格差が開くこともあります。 

 

そのため新聞やニュース、インターネットに掲載されている国内相場の状況を把握しつつ、事前にいくつかのお店の買取価格をインターネットで調べたり、電話確認したり、直接お店に足を運んで確かめておくと良いでしょう。

 

 

広告のカラクリに気を付ける

 

今ではチラシに掲載されたクーポンやスマホの普及によるクーポン付アプリなどさまざまなクーポンが存在し、クーポンを提示すれば割引適用やポイント獲得でき利用者にとって非常に嬉しいサービスです。 

しかし、中にはカラクリが潜んでいることもあるため注意が必要な場合があります。

 

 

よく見かける〇〇%UPのチラシ

 

買取店のチラシやホームページには商品写真に参考の買取価格が掲載されています。 

もちろん相場の変動や実際に商品を見てみないと正確な価格を算出することができないため、参考になる価格しか掲載できないというのが本音です。 

そのため、同様の商品であっても参考の買取価格以下になることもあれば、それ以上になることもあります。 

ただ、その参考価格に「今ならクーポン使って〇〇%UP」と題して、クーポン代金を上乗せした価格を掲載しているお店があります。 

中には大盤振る舞いで「30%UP」クーポンを発行しているお店もあり、パッと見誰しも魅力を感じてしまいます。 

 

しかしながら、ここにはカラクリが潜んでいることが多いです。 

例えば重量のあるネックレスや1カラット以上のダイヤモンドを査定すれば数十万円になることがざらなので査定金額が500,000円だったとします。 

そこに30%UPの150,000円が上乗せされると650,000円になります。 

お客様からすれば当たり前ですが嬉しいはずです。 

ただし、ここでよ~く考えてください。 

そこまで還元していては赤字になり店舗運営が成り立つはずがありません。 

裏を返すと初めから安く見積もっている可能性が高いことになります。 

また、クーポンを忘れてしまった場合は上乗せ分の150,000円が損し、逆にお店の利益がプラスになるのです。 

このように過大な数字には「お得感」を演出するカラクリがあると思っていただき、いくつかのお店で査定してもらうことを心掛けてください。

 

 

〇〇円以上でキャッシュバック

 

査定金額にパーセンテージを掛けることもあれば、合計金額に応じキャッシュバックを行っているお店もあります。 

内容はお店によって異なりますが・・・ 

30,000円以上の買取で5,000円UP 

50,000円以上の買取で10,000円UP 

100,000円以上の買取で20,000円UPなど 

このように査定金額に上乗せして支払われる仕組みです。 

パーセンテージでは上乗せする金額がクーポンに表示できなく曖昧さが出てしまいますが、キャッシュバックの場合は金額が明確に表示されるので利用者に安心感を演出することができます。 

しかしながら、前述の通り還元ばかりしていては店舗運営は成り立ちません。 

やはり、このようなキャッシュバックに関しても、そもそも最初から上乗せしても大丈夫なように安く見積もっている可能性が高いと言えます。 

もし真実味があるとすれば、買取金額に対して数%に値する数千円程度のキャッシュバックくらいでしょう。

 

 

不用品買取という名の「押し買い」には注意を

 

金相場の上昇に伴って全国的に貴金属の買取店は急増し、ショッピングセンターや市街地の商店街など至る所に買取店があります。 

それでもエリアによっては買取店がない地域も存在します。 

そんな場合に便利なのが訪問買取です。 

わざわざ高価な貴金属を持ち歩く必要もなければ、遠方まで出向く必要もなく非常に便利なサービスで電話一本で自宅まで訪問してくれるため、実際に利用された方も多いのではないでしょうか。 

 

ただそんな訪問買取の業者の中でも、突然電話してきて「着なくなった着物や洋服はありませんか」「不用品を引き取ります」などのセールストークで勧誘してくる業者がいます。 

仮に着なくなった洋服があり実際に引き取りに来てもらったとしても「使わなくなった貴金属はないですか?」「売らなくてもいいので見せてください」「今売らないと損しますよ」といったセールストークが始まり、最悪の場合は貴金属を買い取るまで居座るケースがあります。 

そして、最終的に買取をしてもらったとしても二束三文で叩かれたっていう結果になることが多いようなので、電話の勧誘には十分な注意を払う必要があります。

 

 

悪質な業者の特徴

 

店舗を構えているのであれば、その近隣の住民に素性がオープンになっています。 

その一方で訪問買取業者の中には素性を隠した悪質な業者が潜んでいることもあります。

 

 

突然業者が訪問してくる

 

訪問買取の依頼をしていないにもかかわらず突然訪問してくる業者がいます。 

電話のセールストーク同様に「査定だけさせてください」「金額を聞いて判断してくだい」と言いつつも買取するまで帰らないケースが多く、仕方なしに売却したという被害が多数報告されています。 

まず飛び込み訪問は特定商取引に関する法律で禁止されていますので違法となります。 

よって、突然訪問してきた業者であれば「悪徳業者」と判断していただき、わざわざ玄関の扉を開けて対応する必要はありません。

 

 

所在・連絡先が不明

 

優良な企業であればホームページを持っていることが多いです。 

もちろんホームページには企業名、住所、連絡先などが公開されています。 

その一方でホームページを持たず名刺すら出さず素性を明かさない業者もいれば、連絡先が固定電話ではなく携帯電話にしている業者もいるようです。 

このような業者は事務所を構えず車一台で営業を回り、たとえ詐欺を行ったとしても逃げ回る可能性が高いので、最新の注意を払う必要があります。

 

 

行商従業者証を携帯していない

 

買取事業者は古物商(中古品をビジネスとして売買する個人や法人)の許可を取っており、訪問買取の際は「行商従業者証(縦5.5cm、横8.5cm)」を携帯していなければなりません。 

表面には氏名、生年月日、顔写真、裏面には会社名、住所、許可番号が記載されています。 

もし、行商従業者証を携帯していなければ悪徳業者の可能性があります。 

その結果、安く買い叩かれることが想定されますので、その場でお断りすることをおすすめします。

 

 

貴金属買取もクーリングオフ対象品に

 

「クーリングオフ」っていう言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。 

ただ、漠然と理解していても具体的にご存知ではない方もいらっしゃるかと思いますので、まずはこの制度を簡単に説明します。 

 

クーリングオフとは消費者を守る制度になります。 

具体的には、消費者と業者間で取引したものを一定期間内であれば「無かった」ことにすることができます。 

訪問販売などで意図していないタイミングで取引をしてしまったという場合のみ適用され、自分の意思でお店に足を運んで買い物をした場合、スマートフォンやパソコンを介して買い物をした場合には適用されません。 

要は訪問販売などで冷静な判断ができない状況で取引したものを、一度冷静になって考えることができる制度です。 

 

この制度は2013年2月21日より訪問買取にも導入されています。 

そのため、取引を行った日を含めて8日以内であれば商品を手元に戻すことが可能です。 

ただし取引時に発行した契約書が必要となってきますので、万が一のことも考え8日間は保管しておく必要があります。

 

 

最後に

 

生活していくために必要な食料品、衣料品、日用品などは普段の買い物である程度「高い」「安い」の判断が付きます。 

しかし、買取に関してはそうそう売る機会も少ないため「高い」「安い」の判断が難しく、さまざまな手法で安く買い取る業者が潜んでいることが分かりました。 

 

もし売却を検討されているのであれば、まずは日々の国内相場の動向を確認しつつ、いくつかのお店の買取価格を調べておくと良いです。 

また、過大なクーポンは小売業で社会問題となっている廃棄ロスを減らす値引きクーポンとは性質が異なるため惑わされず冷静な判断をしてみてください。