自分へのご褒美として指輪を購入するのであれば、素材やデザイン、価格などを総合的に判断して気に入った指輪を購入するのが一般的です。
しかし、結婚指輪や婚約指輪となれば話は別かもしれません。
それもそのはずで、一生に一度きりのプロポーズで渡す婚約指輪と、恋人と生涯身に着ける結婚指輪という特別なアイテムだからです。
そのため、誰しも購入には慎重になるものです。
ただ、どのようにして選べばいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、購入する前に知っておきたい素材やデザイン、価格の相場などについて紹介していきます。
目次
結婚指輪と婚約指輪に使われる素材は?
結婚指輪と婚約指輪に使用される定番の素材はプラチナ(白金)とゴールド(金)がよく知られています。
中でも圧倒的にプラチナを選ばれる方は多く全体の70~80%ほどを占めており、残り20~30%ほどがゴールドをメインにした他の素材になっています。
銀(シルバー)はファッションリングとして人気はありますが、長年使用すると黒ずんでしまうことからプラチナやゴールドと比較して人気は劣ります。
では、なぜプラチナとゴールドが定番となっているのでしょう?
どちらの素材も「変色のしにくさ」「変形のしにくさ」「加工のしやすさ」という素材要素を兼ねそろえています。
そのため、生涯身に着ける指輪だからこそ耐久性に優れたものを求めている方が多いからです。
さらに、宝石の中でも特にダイヤモンドとの相性の良さであったり、希少性の高さ、日本人の肌馴染みの良さなどが理由として挙げられます。
婚約指輪にダイヤモンドが選ばれる理由
婚約指輪でダイヤモンドをあしらったものを求める方は90%以上とも言われています。
それゆえ、婚約指輪の定番の宝石となっています。
ただ、いつからダイヤモンドをあしらうようになったのか、また数ある宝石の中でもなぜダイヤモンドなのでしょう?
婚約指輪の起源をさかのぼると2,000年以上前の古代ローマ時代に鉄で作られていた指輪を男性から女性へ贈られていたようです。
それが、鉄から金へと素材が変わり、後に宝石があしらわれるようになっていきました。
そして、ダイヤモンドが使われるようになったのは大航海時代の15世紀に裕福な王侯貴族だけがダイヤモンドをあしらった婚約指輪を贈るようになり、19世紀に入ると南アフリカでダイヤモンド鉱山が発見され産出量も増え、ある程度経済力のある庶民にも広がっていきました。
ローマ時代からダイヤモンドの存在は知られていたものの、発掘される量は非常に少なく希少なものでした。
ダイヤモンドの性質上、もっとも地球上で硬度の高い鉱物であったため当時はカットや研磨する技術がなく、美しい輝きを放つダイヤモンドの価値を見出すことができませんでした。
14世紀に入り、カットや研磨する技術が徐々に発展し、その美しい輝きは人々を魅了していきます。
また、硬度が高く化学薬品や紫外線にも強い性質を兼ねそろえていることから「不屈のちから」「征服されない」「永遠」などの意味が込められ、夫婦の永遠の愛を誓う指輪としてダイヤモンドが定着したのです。
婚約指輪の相場
かつて、婚約指輪の相場は「給料の3か月分」とも言われていました。
この言葉は戦後ダイヤモンド会社がキャンペーンを行った際のキャッチフレーズで、それが時代を超えて引き継がれてきました。
しかし、戦後と現在では経済状況や物価も大きく変わっていますので今の実情には合わず、徐々にそのような言葉を口にする人もいなければ耳にする機会も減ってきています。
では、今で言えばどのくらいの費用感が妥当になるのでしょう?
現在の平均価格はおおよそ30万円弱になっています。
もっとも多い価格帯は20万~30万円未満で、次いで多い価格帯は30万~40万円未満です。
この価格帯は20代、30代、40代の年代別で見ても、どの世代も同じ結果となっています。
ただ、年齢が上がるにつれて個人差はありますが、経済的に余裕ができ40万円以上の価格帯を購入される方は多いようです。
その一方で女性側が婚約指輪に期待する価格は、「価格を気にしない」という方が40%前後で、20万~30万円未満が30%弱、10万円以下が20%弱を占めているようです。
男性側からすると「価格=愛の重み」と思いがちですが、実際のところは「価格」ではなくプロポーズで「相手を想う気持ち」を伝える言葉であったり行動がもっとも重要なのかもしれません。
結婚指輪で好まれるデザイン
結婚指輪は毎日着けることを考えデザインを重視するカップルが多いです。
もっとも多いデザインはシンプルなものを選ばれるカップルが7割ほどを占めています。
理由として、毎日着けるからこそ飽きがこないこと、ペアリングであれば男性側に配慮して男性でも気兼ねなく着けられるデザインであることなどが挙げられます。
そのほかには、女性好みの可愛いデザインやエレガントなデザインを選ばれることもあり、ごく稀にゴージャス系やカジュアル系を好まれる方もいるようです。
生涯身に着ける結婚指輪だからこそ後悔しないための注意点
購入される際は誰しも気分が高まり、どうしても今の生活に合わせた着用シーンを想定して購入しがちです。
しかし、結婚指輪はあくまでも結婚後に着ける指輪になります。
要は、結婚後の着用シーンを想定して購入しないと、後々デザインやサイズ、宝石の有無、素材に後悔する可能性があるということです。
まず、結婚後の着用シーンで「毎日着けるのか?」「週末のお出かけのみ着けるのか?」を想像してみてください。
というのも、宝石の留まっている指輪であれば毎日着けていると落ちてしまうことも想定されるため、毎日着けるのであれば宝石の留まっていないシンプルなデザインが向いているかもしれません。
逆に週末のお出かけのみで使用を考えているのであれば、宝石がなければ物足りなさを感じてしまうため、宝石の留まっているデザインを選ぶと良いでしょう。
後々起こりうる後悔では、その当時は可愛いと思って購入したものの、年齢を重ねるごとにファッションも変われば好みも変わることはよくある話です。
また、デザインにこだわり購入したものの体型が変わってしまい、いざサイズ直しを依頼してもデザイン上サイズ変更ができない場合などもあります。
そうなってしまうと、いつしか結婚指輪を着けなくなってしまいます。
このように、結婚後の着用シーンを想定せず購入してしまい、「後悔した」という意見は意外と多いものです。
一生着けることを考えて、きちんと10年20年後の着用シーンを想定して選んでみてください。
結婚指輪の相場
婚約指輪の平均価格は30万円弱になっていましたが、結婚指輪の平均価格はどのくらいなのでしょう?
現在の平均価格は25万円弱と言われており、1本あたり12万円ほどになります。
もっとも多い価格帯は20万~30万円未満で全体の50%以上、次いで多い価格帯は10万~20万円未満で30%以上を占め、合わせて90%ほどを占めているようです。
この価格帯を見て分かるように、如何に結婚指輪はシンプルなデザインが支持されているかが伺えます。
最後に
結婚指輪や婚約指輪は一生に一度きりの買い物だからこそ、ついつい奮発して価格の高いものを購入してしまったり、今のファッションに合わせて可愛いデザインを選んでしまったりして後悔する人も少なくはありません。
もちろん、価格の高い婚約指輪ともなればグレードもそれなりのものなので相手側からすると喜ばれますが、お金には変えることのできない「言葉」や「行動」がもしかすると婚約指輪以上に大切であり、見落としがちな盲点なのかもしれません。
また、結婚指輪は将来を見据えて購入することが大切であることも分かりました。
結婚前は何かと準備で忙しい時間を過ごしますが、将来自分が着用していることを思い浮かべながら購入してみてください。