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コラム

指輪サイズ直しについての加工方法や注意点


指輪のサイズを測るリングゲージ

 

金・プラチナ・シルバー製の指輪をお持ちの方は多いでしょう。 

ただ、着けていくうちに指輪のサイズが合わなくなった経験ある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 

サイズが合わなくなった指輪、皆さんどうしてますか? 

使わないで保管したままの方や、買取店に持ち込んで売却した方もいらっしゃるでしょう。 

いらなくなったものであればそれでもいいかもしれません。 

しかし、どんな指輪であっても思い出や思い入れが必ずあり、その指輪をそのように扱うのは思い出や思い入れも消えてしまいます。 

今回はジュエリーの修理で最も多いされる指輪のサイズ直しの加工方法や注意点などをご紹介していきます。

 

ジュエリーの修理で一番多いサイズ直し

リングゲージ棒で指輪のサイズを測る

 

なぜ指輪サイズ直しが一番多いのでしょうか? 

 

一番の大きな理由は、年月の経過とともに筋肉の増減やむくみ、女性であれば出産前後で体に変化がおこります。 

それによって、指の太さが変わるからです。 

 

また、知人などから譲ってもらう場合は事前に確認すると思うので、合わないということはそんなにないと思いますが、祖母や母親から貰ったり譲り受けた場合は合わないことも多いでしょう。 

他には、ユーズドの指輪を購入する際も指輪のサイズが合わないことがあります。 

指輪はアクセサリーの中でも所有している人も多ければ、様々な理由でサイズが合わなくなる人も多く、ジュエリーの修理でもサイズ直しが一番多いのです。

 

 

サイズアップ!なぜ大きくできるの?

指輪のサイズアップ

 

指輪を大きくするサイズアップです。 

大きくする加工方法は主に3つあります。 

 

①素材を継ぎ足して大きくする 

まず指輪のアーム(指輪の下の部分)をカットします。 

カットした個所に大きくしたいだけの指輪と同じ素材、金の指輪なら金を、プラチナの指輪ならプラチナを、シルバーの指輪ならシルバーを継ぎ足して大きくします。例えば18金の指輪を10号から13号にしたい場合、1号大体1ミリなので、3ミリの18金の素材を切った個所に継ぎ足して大きくします。 

 

②その指輪をそのままのばす 

芯がねと言われる硬いサイズ棒(指輪自体のサイズを測る棒)に指輪を刺して、指輪を優しくコンコンコンと叩いて指輪そのものをのばして大きくします。 

 

③指輪の内側を削る 

指輪の内側を削ることによってサイズを大きくすることもできます。 

しかし、宝石を留めてる指輪であれば、上の部分を削ると宝石に影響がでることがありますので、その場合はアーム(指輪の下の部分)をメインに削ります。 

ただ、指輪の内側に打刻されている刻印が削られてしまうこともあります。 

 

この3つの加工方法がありますが、1つ目の加工方法が一般的です。 

2つ目の加工方法では、大きなサイズ変更をすることはできません。 

3つ目の加工方法も2つ目と同じで、且つ刻印が薄くなったり、モノによっては刻印が消えてしまうこともありますので、オススメはしません。 

 

 

サイズダウン!どのように小さくするの?

糸の子で指輪をカットしてサイズ変更

 

次は指輪を小さくするサイズダウンです。 

小さくする加工方法は主に2つです。 

 

①指輪をカットする 

サイズダウンは小さくするので、その号数分の大きさをカットします。 

1号が大体1ミリなので10号から8号にするときは、大体2ミリカットします。 

 

②指輪の内側にパーツ(素材)を付ける 

この加工方法はサイズアップの3つ目とは逆で、内側に素材を足して指輪の内輪を厚くして小さくします。 

もちろんこの加工方法も指輪の素材と同じ素材を使用します。 

 

この2つの加工方法がありますが、1つ目の加工方法が一般的です。 

2つ目の加工方法はサイズアップと同じで、刻印が薄くなったり、モノによっては刻印が消えてしまうこともありますので、オススメはしません。 

 

 

どんな指輪でも大きくしたり小さくしたりできるの?

様々な宝石のジュエリー

 

基本的にほとんどの指輪はサイズ直しできますが変更できるサイズにも限界があり、そもそもできないものもありますので注意が必要です。

変更できるサイズの限界とは、大きな宝石が留まっていたり、彫刻が施されていたり、複雑な形状をしている場合などで、上限はここまでで下限はここまででというように限界があります。 

また、そもそもできないものとは、極端ですが10号を100号に100号を10号へのサイズ直しや、指輪の1周にダイヤモンドが敷き詰められているエタニティリングなどです 

 

それらを無視して大きくしたり小さくしたりすると、石が割れたり取れたり、指輪自体が壊れたりと何かしらの不具合が生じます。 

 

また、金の指輪の上にプラチナがかぶさっていたり、金とプラチナが交差している『コンビ』といわれるジュエリーがあり、最近ではブライダルジュエリーとしても人気があります。 

その『コンビ』は非常に厄介で、サイズ直しをしたカット個所に2種の貴金属を入れることが困難と言われていますので、『コンビ』のサイズ直しする時はお店側ときちんと確認する必要があります。

 

 

最後に

 

宝石やジュエリーは代々引き継がれていくものでもあります。 

サイズが合わずどこかに片づけて忘れたりなくしてしまったり、売ったりするより、次代のサイズに直して継承していくのもいいのではないでしょうか。 

 

サイズというのは、往々にして変化するもので、変化しない人のほうが少ないと思います。 

サイズ直しができることを知らず、サイズが合わない指輪をお持ちの方は、1度でもいいのでサイズ直しをしてみて、当時の思い出に花を咲かせたり、思いを馳せてみてはいかがでしょうか? 

ちなみに大きくするのと小さくするのだと、大きくする方が多いです!