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コラム

みんなが憧れる「金」の魅力とは?歴史や特徴


金とは

 

「金」という言葉はよく聞くものの、どういうもの?って聞かれてしまうと意外と難しく、お祖母さんやお母さんが金の指輪やネックレスを持っていて、何となく「高いもの」であることは皆さんもお答えできるとは思います。 

ただ、どういった金属であって、どういった特徴があるのかまでは知らない方も多いのではないでしょうか。

 

 

金の歴史

 

人類がはじめて金を手にしたのは世界四大文明で有名なメソポタミア文明で、すでに金の装飾品として使われていました。 

もともとメソポタミアの地には「ウバイド人」という民族が住んでおりメソポタミア文明の基礎を築き上げた民族と言われています。 

紀元前3500年頃、その地に「シュメール人」という民族が突如現れたのです。「シュメール人」は宗教や美術、暦、60進法、七曜制、金属の鍛錬技術などを発明し、更には今普通に使われている文字に関しても初めて文字(楔形文字)というものを発明しています。その文字を使って粘土板に書かれたのが「アヌンナキ(神)は地球に金を掘りに来た」と記されており、これが人類と金が関わった重要な証拠となっています。 

 

紀元前1300年頃皆さんご存じの方も多いファラオ(王)。その当時はファラオだけが金を身に着けること許されていたようです。そのため「ツタンカーメン王の黄金のマスク」はファラオ(王)に捧げられたとされています。 

当時は今みたいな便利な機械もなければ道具もない時代でしたので、石を道具代わりにして金を採掘し、採掘された金を石臼ですり潰して作られていたようです。 

 

1601年、日本でも金の採掘が盛んになりました。 

そのきっかけとなったのは、「佐渡金山」が発見されたことが発端となります。 

当時、江戸幕府将軍の徳川家康が「佐渡金山」を直接支配し、年間400kgほどの金を採掘しました。 

その採掘は江戸幕府が終わるまで続き、その間に採掘された量は41トンと言われ、同時に小判の製造も行われ江戸幕府の財政を支えたとされています。

 

 

黄金の国ジパング

 

「黄金の国ジパング」って言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。 

これは13世紀末、ヴェネツィアから日本を訪れたマルコ・ポーロが島国である日本は「莫大な金を産出する」「宮殿や民家は金でできている」と記述した東方見聞録が元となって、日本がヨーロッパにおいて「黄金の国ジパング」と呼ばれていました。 

しかし、マルコ・ポーロは日本には渡ってなかったようです。では、なぜマルコ・ポーロはそのような記述したのでしょう? 

定かではありませんが、12世紀に奥州藤原氏が玉山金山や茂倉金山から採ってきた金で中尊寺金色堂を建てた話や日宋貿易の際に中国側から日本への支払いに金が使われていたこと、遣唐使時代には遣唐使に唐の国で金を調達する任務を課せられていたことなどによって中国側が日本のことを「金の国」と認識し、その影響をマルコ・ポーロは受け東方見聞録に記したとされています。

 

 

金の魅力

 

金の最大の魅力は「無価値」にならないことになります。 

要は、「株」や「債権」更には皆さんが普段何気に使っている「お金」は発行する企業や国の信用によって成り立っているものであって、企業の業績悪化や国の社会情勢によって、その価値が急激に低下してしまい、最悪の場合「無価値」になってしまうことがあります。 

しかし、金の場合は世界共通の価値が存在しています。そのため今までの歴史上で「無価値」になったこともなく、これからの時代も「無価値」になることはないのです。

 

 

金の特徴

・腐食性

 

世の中には様々な金属が存在し、多くの金属は腐食(サビる)します。 

鉄で言えば、雨にさらされたりジメジメしたところで保管しているだけで赤く腐食してしまい、銅なら10円玉を想像してください、稀に緑色に腐食した10円玉を見かけたことがあるかと思います。これは緑色に腐食していることになります。 

理由は空気中に存在する酸素がそれぞれの金属と結びつくことによって、表面に違った性質のものができ、その集合体が目に見える形として「腐食した」と言うのです。 

ただ、金属の中でも「金」は腐食しにくい特徴をもっています。しかし、普段着けているジュエリーなどには他の金属を混ぜ合わせていることが一般的なので、その場合手入れなどを怠ると腐食してしまうこともあります。

 

 

・展延性

 

以前、銀(シルバー)のお話でも出てきましたが、金は展延性(素材を切断せずに変形する限界)に最も優れている特徴をもっています。 

1gの銀は2.2kmの線に伸ばすことができるのに対して、1gの金は1.4倍弱の3kmの線に伸ばすことができます。更には、延性にも優れているので髪の毛より細い針状のものに加工することもできるのです。

 

 

金の色

 

金は一般的に「金色」と表現されますが、オレンジがかった黄色に見えるということで「黄金色」とも表現されます。 

では、なぜ「黄金色」と表現されるのでしょう。 

それは、みなさんも田舎に帰った時を思い出してください。田んぼを見ると一面「黄金色」に染まっていた経験があったかと思います。それは日本人が主食としているお米です。 

かつて、日本では武士などのお給料はお米で支払われていた時代がありました。要は貴重なお金になります。それが貴重な金と同じ意味合いを持っているため「黄金色」と表現されたのです。

 

 

最後に

 

マルコ・ポーロの東方見聞録に記されていた「黄金の国ジパング」って実は「伝説」に過ぎなかった出来事だったんですね。ただ、これから先もこの「伝説」は引き継がれ「黄金の国ジパング」って言葉は生きていくでしょう。 

 

また、金の歴史の始まりである「シュメール人」の出現は今私たちの生活を大きく変えてくれた出来事だったのではないでしょうか。もし、「シュメール人」に巡り合うことができなかったら、金属をでものを作る技術が誕生していなかったかもしれませんね。