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コラム

ダイヤモンドの新品・中古について


ダイヤモンドルース

 

世の中には溢れるほど様々な商品があり、私たちは世界中の商品を手にすることもでき非常に便利になりました。 

どんな商品であっても、最初のスタートとして新品の商品が作り上げられます。 

そして、その商品を購入した私たちが使用します。 

必要がなくなれば処分されるものもありますが、今ではリサイクル店や買取店、古本屋、車の中古販売店などを介して第三者の手元に中古品として受け継がれるものも多数あります。 

中古品になれば何らかのキズ・シミ・汚れなどが多少跡として残り、私たちでも新品・中古の判断することはさほど難しくはないかと思われます。 

しかし、中古品として市場に流れていく宝石はどうでしょう。 

そもそも新品と中古が存在するのでしょうか?

ここでは代表的なダイヤモンドを例に紹介していきたいと思います。

 

 

ダイヤモンドの新品と中古の違い

 

様々なダイヤモンド

 

ダイヤモンドに新品と中古はあるのでしょうか? 

その前に、皆さんダイヤモンドの中古品って聞いたことや値札で見たことはありますでしょうか? 

実はダイヤモンドには新品と中古という表現がないのです。 

もちろん、貴金属買取店・質屋・リサイクル店に行き買い取ったダイヤモンドが展示されていれば、誰でも中古と分かりますが。 

それらを省き、宝石専門店やブランド専門店に行き、そのような言葉を聞いたこともなければ見た経験をお持ちの方もいないのではないでしょうか。 

 

高いお金を支払って宝飾品を購入したい場合や結婚指輪や婚約指輪を用意するときは新たな生活の始まりなので、誰しも新品のものを手に入れたいと考えるのが普通です。 

しかしながら、それが新品であって、これが中古であることを証明することは難しいのです。 

その理由として、ダイヤモンドはモース硬度10(MAX10)の高い鉱物になりますので、長い月日が経過しようと他の商品とは異なり劣化することがなければ輝きも変わらず価値も変わらないから見分けがつかないのです。

 

・バージンダイヤモンド

バージンダイアヤモンド

 

バージンダイヤモンドとは鉱山から採掘されたダイヤモンドの原石を加工工場で研磨しジュエリー用に流通させているものです。 

そのため、購入した時点で誰の身にも着けられていません。

 

・中古ダイヤモンド

ダイヤモンドテスターでダイヤモンドのチェック

 

貴金属買取店・質屋・リサイクル店がダイヤモンドの付いている製品からダイヤモンドを外して市場に流通させたもの全てを指します。 

今、使われているダイヤモンドはほぼこちらに該当するでしょう。

 

 

新品と中古の価格の違いは?

形状がバラバラなダイヤモンド

 

新品と中古の概念がないことから、同じ大きさで同じクラスの品質であれば、市場価格に差はないでしょう。 

ただ、バージンダイヤモンドを仕入れて販売するのと中古ダイヤモンドを販売するとすれば話は別になります。 

バージンダイヤモンドは原石の採掘コストから始まり、工場での加工コスト、国外に送る輸送コスト、仲介卸業者の手数料など何かとコストがかかってきます。また、バージンダイヤモンドというプレミア価格も上乗せされますので、同じ大きさで同じクラスの品質であれば、一般的にはバージンダイヤモンドの方が高くなります。

 

 

中古ダイヤモンドは二次流通として還流される

メレダイヤのチェック

 

貴金属買取店・質屋・リサイクル店が買取した指輪やネックレスは、そのままお店で販売されることもありますが、多くのモノは枠に付いているダイヤモンドを取り外し、枠の貴金属部分は溶かされ、ダイヤモンドは市場(業者オークション)で競りにかけられます。 

一部の大きなダイヤモンドやグレードの高いダイヤモンドは、多くの海外バイヤーによって競り落とされ自国に輸出し自国で販売されます。 

その中でも日本人バイヤーによって競りで落とされたダイヤモンドは再び国内の加工工場で新品のジュエリーへと生まれ変わり、宝石専門店やブランド専門店で販売されます。 

このようにしてダイヤモンドは半永久的に還流し続けるのです。

 

 

市場に出回るダイヤモンドは?

メレダイヤ

 

市場に出回っているダイヤモンドの消費国と言えば、今や富裕層の増えた中国であったり、インドを想像される方も多いかと思われます。 

実際、国内で行われる大きな宝飾展示会でも中国人バイヤーやインド人バイヤーが多く参加され、多くの商品を購入し自国に持ち帰ります。 

しかし、実際にはアメリカが一番の消費大国で、中国はアメリカに次いで2位となっていますが、両国ともに2019年度より消費に陰りが出てきていると言われています。 

アメリカは2019年9月より中国製のジュエリーに追加関税15%を課したことが要因となり、ジュエリーの消費が少し冷え込んでいるようです。 

一方の中国では人民元安の影響や長らく続いている香港の大規模なデモ、米中貿易摩擦などにより消費が低下しています。

 

 

最後に

 

世の中に存在するほとんどの商品には新品や中古が存在し、そして新品と中古の違いが目で見て分かります。 

しかし、ダイヤモンドはその概念もなければ違いも分かりません。 

それは人の手によって作り上げられたものではなく、自然が何十億年かけて作り上げた奇跡鉱物だからではないでしょうか。

私たちが身に着けているダイヤモンドは、大切ないのちと同じで祖父母から両親を経て子供、孫へバトンタッチするかのように、これからも人から人へ美しい輝きのまま半永久に受け継がれていくでしょう。