結婚指輪や婚約指輪として人気のあるプラチナとホワイトゴールド。
共に色が似ており、日本語に訳すとプラチナは「白金」となり、ホワイトゴールドは「白い金」となるため、昔から混同されがちです。
しかし、プラチナとホワイトゴールドの歩んできた歴史が異なれば、そもそもが全く違う貴金属であり特徴なども異なります。
ホワイトゴールドの始まり
第一次世界大戦(1914年~1918年)により、ロシアからのプラチナの供給量がストップしたことによって、代替品として誕生したホワイトゴールド。
その当時は18金のイエローゴールドが人気だったため、ホワイトゴールドの人気は全くありませんでした。
その後にカラーゴールドであるローズゴールドや少し配合を変えたイエローゴールドの流行によって徐々に人気を高めていき、日本国内においても1980年以降から認知され、プラチナと同色の貴金属としてイエローゴールド同様に人気を確立してきました。
ホワイトゴールドってどんな貴金属?
一般的に身に着けられている18金や14金の指輪やネックレスは主に金を使用し、銀や銅などを割金とした合金になります。
ホワイトゴールドは主に金を使用していますが、割金として使われている金属が異なり、白色の金属であるパラジウムや銀を混ぜ合わせることによって、白色になることから‟ホワイトゴールド”と呼ばれるようになっています。
ただ、メインとなる金属が黄金色であるため、完全には白色になりません。
そこで、表面にはロジウムコーティングを施し、プラチナ同様の白さを出しています。
ホワイトゴールドとプラチナの違い
ジュエリーの素材として人気となったホワイトゴールドとプラチナ、いずれも白い輝きをしていますが全く異なった貴金属になります。
一番の大きな違いは、ホワイトゴールドの元素記号は「AU」になり、プラチナの元素記号は「Pt」で素材そのものが違います。
そのため、同じデザインの指輪を着けたとしても、ホワイトゴールドはプラチナより比重(水より何倍重いか)が低いため、軽く感じられます。
今は、金相場がプラチナ相場の2倍以上となっているため比較しにくいのですが、同じデザインであればプラチナの方が価格は高く、ホワイトゴールドの方が価格が低くなることが多いです。
ホワイトゴールドは割金で使用している他の金属によって、プラチナと比較すると強度が高いです。
ただ、割金で使用している金属の割合がプラチナより高く、金属アレルギーを起こしやすい「ニッケル」などが混ざっていることもあり、金属アレルギーを起こす可能性があります。
ホワイトゴールドの特徴
前述の通り、ホワイトゴールドは完全な白色の金属ではなく最終仕上げとしてロジウムコーティングを施し、プラチナのように白くしているので、長年使用していると剥がれてくることもあり、素材そのものの色が見えてくることがあります。
ただ、再びロジウムコーティングすることによって、元の状態である白色に戻すことができます。
また、刻印にも特徴があります。
元となる金属が金のため「K18」「K14」と打刻がされ、その後ろに「WG」と打刻されています。
この「WG」は、‟white”と‟gold”の頭文字の略となっています。
ホワイトゴールドの魅力
ホワイトゴールドは仕上げとしてロジウムコーティングが施され白い貴金属になるため、細かいダイヤモンドがデザインされた指輪やネックレスなどは、より一層ダイヤモンドの白さや美しい輝きを表現することができます。
女性の年代によっては金色に抵抗を示されることが多いですが、ホワイトゴールドは幅広い年代の方から気にすることなく身に着けることができ、男性の場合でも、結婚指輪やペアリングでイエローゴールドやピンクゴールドの指輪は派手で着けにくいとされますが、白色のホワイトゴールドなら抵抗なく身に着けることができます。
これは純白な輝きが日本人の肌に合い、見る人の心を惹きつけたり、清潔なイメージや明るいイメージを表現し、純粋な日本人との相性が良いからでしょう。
ホワイトゴールドのお手入れ
ホワイトゴールドの表面は加工が施されているので、汚れてきた?何かくすんできた?からといって、強い力で洗ったり、毛先の硬いブラシなどでゴシゴシと磨いたりすると、表面に加工されたコーティングが剥がれるだけではなく、地金そのものにキズが付いてしまいます。
また、温泉やご自宅の入浴剤なども避ける必要があります。
目の粗い専用クロスではキズが付いてしまいますので、専用の柔らかいクロスで優しく皮脂を拭き取る程度で、もしそれでも汚れが取れない場合は、購入したお店でクリーニングしてもらったり、クリーニング加工を行っている店舗に依頼するのもいいでしょう。
最後に
ホワイトゴールドが誕生して100年ほどしか経過していないため、現在においてホワイトゴールドのアンティーク(100年経過した美術品で価値あるもの)といわれる宝飾品は数が少なく、今後非常に希少性が増してきそうですね。
また、ホワイトゴールドの歴史は浅いものの、今ではなくてはいけない存在を示し、確固たる地位を築けたのも、純白な輝きで人々を魅了してきたからではないでしょうか。